モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院

静寂に抱かれた修道院

モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院の糸杉の道

シエナからさらに南へ1時間ほど車を走らせると、モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院に到着した。祈祷や瞑想を中心としたこの修道院は、人の世の喧騒から遠く離れた場所に建っている。門をくぐり、修道院への道は静かさに包まれている。聞こえるのは、静寂に溶け込む鳥の鳴き声ばかりである。

モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院

モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院は、14世紀にシエナの貴族が世俗を離れて隠遁生活を送ったことから宗教共同体へと発展した。今も30名ほどの修道士が生活なさっていると聞くが、その数の多さに驚いた。

ソドマ自画像

この修道院を訪れたのは、回廊に残された「聖ベネディクトの生涯」をテーマにした16世紀のフレスコ画を鑑賞するためである。フレスコ画のほとんどが、シエナで活躍した画家ソドマの手によるものだ。「乳母が壊した借り物のふるいを聖ベネディクトの奇跡で元通りにする」シーンだが、真ん中に気取った風体で描かれているのがソドマの自身である。彼は動物好きだったらしく、フレスコ画の中にはいくつかの動物が描かれているが、ここには特にお気に入りのアナグマが登場している。

ソドマのフレスコ画悪魔の誘惑

こちらは誘惑に打ち勝つ聖ベネディクト。茨に身を投げるほぼ裸体のミケランジェロ風のベネディクトや周りの装飾のグロテスク様式といい、とてもルネサンスで良き。

クレテ・セネージ
修道院へ行く道のり

この修道院がある場所が静かな田園風景に囲まれた陸の孤島なのだが、それを反映するかのようにフレスコ画の背景に美しい風景が描かれている。淡いタッチの景観が、まるで19世紀の写実風景画のようにも見えてくる。その上で悪魔を追う天使がなんとうも良いのである。

ソドマのフレスコ画聖ベネディクトの奇跡

食料が足りない修道士たちのために祈りで小麦を増やすという聖ベネディクトの奇跡の一つを描いた1枚。猫と犬がテーブルの下で喧嘩しているのが微笑ましい。食卓が描かれた絵を見るのが好きだ。何を食べているのだろうと興味がわくのは、食欲が人間の欲望の一つだからだろうか。YouTubeなどでも、つい食事の動画に惹かれてしまう。修道士たちの表情の生き生きしていて、楽しい。

ルカ・シニョレッリのフレスコ画

フレスコ画の連作には、ルカ・シニョレッリも参加している。残念ながら、保存状態が良好ではないが、それでもシニョレッリらしい力強さと人物の動きに工夫が感じられる。

モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院のワイン

修道院にはつきものの、ワインも販売している。かつては貯蔵庫が修道院内にあったのだが、現在は近郊に醸造施設がある。石鹸や化粧品、飴などの修道院ブランドの商品は、度々、他の会社がコラボして作っていることがあるのだが、こちらのワインは修道士さんが造っている。ベネディクト会のモットー「祈れ、働け」を体現されている。味も美味しいと思うが、ラベルがとても惹かれるのだ。

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