タオルミーナ観光
カターニアからタオルミーナへ向かった。移動手段は電車とバスがあるが、私はバスを強くおすすめしたい。というのも、タオルミーナは高台にある町だからだ。バスなら旧市街近くまで運んでくれるが、電車の場合は海沿いの駅で降りることになり、そこからかなりの距離を上らなければならない。
バスの窓からエトナ山が白い息を吐くのが見えた。進行方向の左側だとエトナ山を追いながら移動できる。
シチリアに来たからには、この高台から見下ろす海の景色が見たかった!あら、トスカーナでお馴染みの糸杉があるやないの!そういえば、 糸杉は地中沿岸の暑く乾いた夏を欲するものね。丘陵地を背景の糸杉も素敵だが、海を望む糸杉は(勝手な私の想像だが)故郷に帰ってきた感があって良い。
マヨルカ焼きのタイル装飾が、シチリアの明るさを引き立てている。小さな村落だが、縦横に入り組んだ小道が迷路のようで散策するのが楽しい。
タオルミーナでは、このお店に立ち寄るのが私の中での必須だった。マジパン系は少し苦手なのだが、旦那がアーモンド系のお菓子に目がないので。
Laboratorio Pasticceria Roberto Chemi
Corso Umberto I, 87
シチリアの伝統菓子を今に伝えるお店である。店名もパスティッチェリア(お菓子屋)だけではなく、ラボラトーリオ(工房)とも名乗ることで、お菓子はここで手作りされているのを強調している。
写真に写っているのは、カンノーロの魔術師ロベルトさん。魔術師やねんからカンノーロ食べなあかんのやろうけど、目の前にならんでいるパスタ・ディ・マンドルラ(アーモンド生地の焼き菓子)に惹かれて注文した。マジパンが苦手な私だが、一つ試してみたら!めちゃくちゃ美味しくて、もう一つ購入。中に入っている砂糖漬けのフルーツも、また絶品。これ以上甘いものが食べれなかったので泣く泣くカンノーロを断念したのが心残りだ。
見たこともない大きなレモンや籠にあふれるほどのオレンジが賑やかに並ぶ食料店。
カターニア平野はオレンジの産地として知られている。バスや電車に揺られていると、車窓から海に向かって一面に広がるオレンジやレモンの畑が続く。初めて見る情景は、シチリアの大地に容赦なく降り注ぐ太陽と、その豊かさを感じさせてくれた。
柑橘系の花と実が同時に見られる3月末から4月は、シチリアのお勧めの時期かもしれない。苺も豊富であったし。そして続けてトスカーナを訪問すれば、最も美しいイタリアを感じることができるかも?!天気はちょっと不安定やけど。
タオルミーナといえば、古代劇場である。自然の地形をそのまま利用した観客席と海や山を背景とする自然と一体化したギリシア風の古代劇場は、古代ローマ時代まで改修を重ねながら使われてきた。時を超えてなおその姿をとどめており、今も現役の劇場で、夢のような舞台である。ここでカヴァリエーレ・ルスティカとか聞いてみたいや。
午後から雲が厚くなったので、ここからエトナ山は見えなかったのが残念である。晴れた日は、それは美しいことであろう。古代ギリシア人の感性に感服する。
タオルミーナに長期滞在したオスカー・ワイルドの像は、その手に地中海の青色をした蝶々が止まっていた。
シチリアのモチーフを象ったマグネットは、魅力的だ。明るい色彩に惹かれて、私はレモンと(ここにはないが)サボテン、そしてシチリアでは小さな幸運の印となる松ぼっくりのものを購入した。家の冷蔵庫の扉に貼ってあるが、見るたびに楽しい思い出がよみがえり、買ってよかった。
帰りは電車にしたので、駅まで長い坂を下らねばならない。道沿いにはマグネット同じようなサボテンが茂っていて、愉快である。
往路をバスにして本当によかったと心から思った。駅と街の道のりは、地図では簡単そうに見えたが実際にはかなり高低差があり、最初は植物を眺めたり海を見下ろしたりしながら楽しく歩いていたものの、次第に足が重くなり、下り坂だったからこそ何とか歩き通すことができた。
道中、駅から大きなスーツケースを引きながら砂利道の坂を上ってくる観光客と何組かすれ違った。地図で見る以上に険しい道のりに、きっと戸惑ったことだろう。思わず同情してしまった。
実は、絶景を眺めるためにタオルミーナの街のさらに上まで頑張って登った。ところが、その途中で夫と喧嘩してしまい、肝心の写真が一枚もない。なんとも無念である。タオルミーナの坂道を上へ下へと歩き回ったおかげで、帰りの電車ではすっかり疲れ果ててしまった。心地よい疲労感に包まれながら、帰路についた。
ブログランキングに参加しています。よろしければ、応援クリックお願い致します。




