トスカーナのロゼワイン

初夏に向けて、トスカーナのロゼワインおすすめ。

5月、葡萄畑では黄緑色をした新芽がすくすく伸びて今年のワインとなる蕾を膨らませる。生物多様性を大切にするワイナリーでは、綺麗に列をなす葡萄の木の間を様々な花が爽やかな風に揺れていることであろう。

桜の季節あたりから重い上着を脱ぎ去るように、ワインも軽いものが欲しくなってくる。しかし陽気な気候に惑わされてはいけない。時にはまだ軽いコートは必要だ。そう、海沿いの白ワインには気が早い。ではそんな中ごろの季節になると飲みたくなるワインが、ロゼワインだ。

(というても、季節関係なく飲みたいワインを飲むべしが大前提やで)

イタリアのロゼワインは生産量はまだ少ないが、トスカーナでも多くの生産者がサンジョヴェーゼ品種でロゼを造り始めた。ここでいくつかご紹介したい。

キャンティクラシコ地方南部モンティ(ガイオーレ)地区にある、ワインの味も生産者の哲学も全てが大好きなワイナリー「ポデーレ・イル・パラッツィーノ/ Podere Il Palazzino」のロゼ。苺や薔薇(蔓薔薇カクテルのような)が香り、辛口で食事に合う。食前酒にもぴったりだ。

キャンティクラシコ地方南西部のワイナリー「チンチャーノ/ Cinciano」。私はこの地区のキャンティクラシコが好き。なぜなら軽やかで香草やミネラル(!!!ここではミネラル有無の議論は置いといて)を感じる土壌だから。それがロゼになったわけだからやっぱり好き!

以上の2つのロゼは、サンジョヴェーゼをロゼにした時に生まれる楽しさを味わえる。

キャンティクラシコ地方北西部にある「レ・コルティ/ Le Corti」が造るロゼは発泡タイプ。シャルマ方式の泡なので元気がいい泡であるが、ちょっと塩っぽさもあって天ぷらが欲しくなる。

これまた私の好きなキャンティクラシコ地方のワイナリー「ボォンドンノ/ Buondonno」。赤味が少し濃いことからもわかるように、50%サンジョヴェーゼ、50%シラー。やっぱり100%サンジョヴェーゼが好きだけど、丁寧な造り手のこれもまた面白い。

地域は変わり、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノの生産者「チェザーニ / Cesani」のサンジョヴェーゼ100%ロゼ。こちらは、BBQに連れて行きたくなる。

そしてトスカーナのロゼの女王が、これ。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生産者「レ・キウゼ/ Le Chiuse」のロゼStellare。こちらも発泡だが、瓶内発酵なので美しい泡が楽しめる。エレガントそのもの!レ・キウゼのワインはすべて素晴らしくお薦めワイナリーであるものの、日本では手に入りくい。しかし、出会ったならばおすすめです!。

サンジョヴェーゼは意外とロゼに向いているのではないか?と思う。というか、私がサンジョヴェーゼ好きだからロゼも好きなのかも。

サンジョヴェーゼではないが私の好きなロゼは、トスカーナの海沿いにあるボルゲリのワイナリー「ポッジョ・アル・テゾーロ/ Poggio al Tesoro」。やけに惹かれるなと思ったら、サンジョヴェーゼに続いて好きなカヴェルネ・フランだった。自分が好きな品種はロゼも楽しめるということか。

トスカーナには美味しいロゼがまだまだある。多くがサンジョヴェーゼ主体なので、ワイナリーごとに比べて見るのも面白い。

ロゼは味比べもさることながら、色比べも面白い。サンジョヴェーゼ・ロゼの色は基本、淡くオレンジがかっているが、年により、醸造法により変化が生まれる。そして葡萄品種が異なると、うっとりするほど綺麗な珊瑚色や渋いサーモン色だったりと様々だ。

ボトルもボルドー型だけでなく、趣向を凝らしたものがある。赤ワインが主体のトスカーナではロゼは葡萄の生産量と収穫に時間的余裕があれば造るワインなので生産量は少ない。それゆえ、もしかしたら日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、是非、これからの季節にトスカーナ・ロゼを試して頂きたい。なかなかやるやん!とロゼのイメージが変わるはず!お寿司にも合うんじゃないか?と思っている。

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