テヌータ・プリマピエトラ

フェラガモワイナリー「テヌータ・プリマピエトラ」

リパルベッラというワインの生産地区をご存知だろうか?

リパルベッラは、ピサとボルゲリの間に位置するピサ軒の小さな市である。

テヌータ・プリマピエトラ

リパルベッラ市でワインを思い出す方は余程のトスカーナワインファンであろう。そんな地区に、マッシモ・フェラガモ(あのフェラガモ一族だ)がワイナリー「テヌータ・プリマピエトラ」を設立したのは2002年のことである。

テヌータ・プリマピエトラのテラスからの眺め

ワイナリーが所有する11ヘクタールの畑は、トスカーナの海沿いのワイナリーで最も標高の高い場所にあるのだそうだ。ちなみに、一番高いとは標高450メートルである。そこでメルロー、カヴェルネ・ソーヴィニヨン、カヴェルネ・フラン、プティ・ヴェルド(これは作らなくなったような?記憶があやふやや)の国際品種を育てている。

晴れた日には遠くエルバ島、カプライア島、さらにはコルシカ島を見晴らせる素晴らしい高台だ。写真の奥は海なのだが、携帯写真ではそれすらも定かではないが。

メルロー

メルローの畑は高低の2つあり、これは高い畑のもの。この畑は、肉眼でも気づくほどに青味がかった灰色と茶色をした土壌の分かれ目が見えるのが面白い。灰色の粘土は近くにある火山(休止?死?きっと死火山だろう)の影響だそうだ。

テヌータ・プリマピエトラ樽貯蔵庫

発酵タンクはステンレスとセメントの2種類で、毎年の気候の違いで使い変えているという。そして、熟成の樽はフランス製オーク材の小樽である。

コッチョペストのタンク

これは残念ながらもう使用していないが、ピサ県で作られたコッチョペストのタンク。コッチョペストとは、砂利の入っていないコンクリート(モルタル)にテラコッタの破片を加えたもの。テラコッタに似た性質だが気泡がより荒い(だったかな)。とにかく木製の樽と同じように空気が通るのが特徴だそうだ。とても興味を引いた。

テヌータ・プリマピエトラ試飲

畑と醸造施設を見学したら、先の写真の素晴らしい景色が見える試飲室でお楽しみの試飲タイム。

お客様が選んだ試飲は、テヌータ・プリマピエトラのヴィンテージ違い2種と、カヴェルネフラン100パーセントのペールマッシモ、そしてフェラガモが所有する(2022年に売却したと聞くので、所有してたというのが正しいのかな?)ブルネッロ ・ディ・モンタルチーノワイナリー「カステリオン・デル・ボスコ」のロッソとブルネッロ と、全部で5種類試飲。

左2杯がサンジョヴェーゼ、右2杯が国際品種であるが、色からも違いが見て取れる。

試飲

プロシュットとチーズに無花果、モンタルチーノの蜂蜜、オリーブオイル、パンが付け合わせで供された。

プリマピエトラのワインは、カヴェルネソーヴィニヨンがまだ若いのかピーマンの緑っぽさから徐々にコーヒー豆とスパイシーさが現れ、なかなかに面白いワインだった。

トレゾーロ

このド派手なイタリアらしい木箱の蓋は、これと同じワインのラベルを持つトレゾーロという名のワイン用である。

リパルベッラはワインの生産地区としてはまだまだ知名度が低いが、実はここには「ドゥエマーニ」と「カイアロッサ」という非常に評価の高いワイナリーが2軒、存在するのだ。トスカーナワインファンならご存知の方もいらっしゃるだろう。

トレゾーロは、フェラガモのワイナリーとこの2軒がリパルベッラ地区を宣伝する目的で共同生産したワインなのだ。このワインにコッチョペストのタンクが使用された。

テヌータ・プリマピエトラのトレゾーロ

残念ながら2017年から3年間しか生産しなかったこともあり、今となっては幻の限定ワインとなってしまったが、なんと!トレゾーロも試飲させてもらえて運がよかった!樽に入っていない分、エレガントな軽やかさが目立つワインで、私は好きだった。

 

テヌータ・プリマピエトラ訪問は、リパルベッラ地区ワイナリー2軒ツアーまたはボルゲリワイナリー1軒と組合せツアーが可能です。

※有料での観光案内(ワイナリーなどの施設含む)は、ライセンスガイド/ライセンス添乗員のみが可能です。それ以外は違法で罰金対象です。

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