オルチャ渓谷のペコリーノチーズ農家

ペコリーノチーズ農家訪問。

先日、オルチャ渓谷にあるピエンツァ近郊のペコリーノ農家を訪れた。

ペコリーノチーズ農家訪問
現場を見ながら、チーズ作りの説明を聞く。たかがチーズ、されどチーズ。オルチャ渓谷のペコリーノ・チーズの歴史から、農家のこだわりを、2時間弱たっぷりと説明してくれた。


こちらの農家のこだわり、というのは、生の乳を使っていること。
多くのチーズ工場で使用するミルクは、加熱殺菌されている。殺菌することで、どんな品質のミルクも安全に長期保存が利く。長期保存が利くので、スペインなど海外からの安価な輸入ミルクが利用されることもしばしば。安価にペコリーノチーズができる代わりに、チーズは風味がなくなってしまう。
生の乳を使用するということは、動物の衛生・健康管理をはじめ、チーズ作りにも注意が必要となってくる。手間はかかるが、すばらしく風味のあるチーズが仕上がる。チーズに慣れていない場合は風味がきつすぎるかもしれないが、チーズ好きにとっては、このチーズを一度食べるとほかのチーズが頼りなくゴムのような食感に思えてしまうのだ。


ミルクを固まらせるのには、山羊または牛の胃から作った凝乳酸素を利用する。その昔このあたりでは野生のアーティチョークの花を乾燥させたものを凝乳酸素として使用していたそうだ。

アーティチョーク
昔はあちこちで収穫できた野性のアーティチークも今では栽培しないと数が足らぬ。しかし、いつかは昔ながらの植物性の凝乳酸素を使ったペコリーノ作りを実現してみたいそうだ。

ペコリーノチーズ熟成
チーズのカビ

チーズ貯蔵庫は、いつ見てもおもしろい。ずらりと並んだ年齢の違うチーズ、カビそしてダニ(チーズが食べられないように、定期的にダニを払いのけてあげるのだそうだ)が付いたチーズなど、いろいろ。月日が経つほど水分が少なくなりしわができて硬くなる。しかし、風味が増す。人間と同じなのだ。


まずは、カプリーノ・チーズを試食。ナイフの手前にあるものが、一番フレッシュ。そして、一番奥から左へと熟成していく。乾燥した時期に熟成すると、写真の左のもののように硬くなる。湿気が高い時期に作ると、内部がクリーム状になる。写真に撮るのを忘れたが、これがまた、味も臭いも濃い。それに蜂蜜をたらすと、不思議とまろやかになる。味噌のような感じがしないでもない。こちらの農家が生産する小麦で作ったパンとともに食べると最高である。

カプリーノチーズ
お次は、フェタチーズ。市販のものは塩辛くてどうしようもないが、これはまったく塩辛くない!

フェタチーズ
そして、ペコリーノチーズ登場。手前から順番に熟成されていく。

ペコリーノチーズ試食
味が濃いのにちっとも塩辛くない。外皮も食べらるという。はちみつをたら~りとかけた熟成されたペコリーノもおいしいが、藁の中で寝かされたものも、香りがよい。

はちみつ
はちみつと手作りのぺペロンチーノのジャムをチーズにのせて。はちみつは熟成されてものに、そしてぺペロンチーノはフレッシュなものに合う。
羊舎へ行くと、食事時間と思ったのか羊たちが勢いよく列をなして出てきた。食べるものがないとわかると、またお行儀よく列をなして羊舎へ戻る。

羊たち

ここの農家では、ペコリーノ(羊乳のチーズ)、カプリーノ(山羊の乳のチーズ)、チンタ・セネーゼと呼ばれる豚のサラミ、小麦(パン、パスタ)、ワイン・・・と、おいしいものが作られている。こんな大地で育った動物・植物、おいしいのは当たり前かもしれぬ。

オルチャ渓谷

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