ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ試飲会2013年

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ試飲会2013年。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ試飲会2013年 2月末に、1年のうちで私が一番楽しみにしているイベントのひとつ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの新作試飲会「Benvenuto Brunello 2013」がモンタルチーノで開催された。(最新アンナータ2008年とリゼルヴァ2007年) 4日間うち、最初の2日間はこの冬最後の寒波か?と思われるぼた雪の舞う大変寒い日であった。 この日、私はツアーの仕事でモンタルチーノを訪れたが、雪と霧に覆われた神秘的なモンタルチーノは、ワインが更に美味しく感じられる雰囲気を醸しだしていた。 タイル 毎年この時期に、昨年に収穫した葡萄の出来を決定する集会が開かれる。2012年度は5ツ星。3ヶ月以上雨が降らず、農作物全体にかなり厳しい年だったのだが、意外な結果であった。生産量も少ない5ツ星となると、ボトルの値段が上がるのではと心配をしてしまう・・・。 ちょうど私達が昼過ぎに町を去る前に、星が描かれた記念パネルが市庁舎の壁にはめ込まれた。 ブレスレット 今年のパネルのデザインを受け持ったのは、「クルチアーニ」(日本ではくルチアーニと呼ばれるが、クルチャーニではないのか???Ciaoがチアオでないように・・・。)というミラノのファッションメーカー。ファッション関係に疎い私は「クルチアーニ???」と聞いても頭を捻るばかりだが、左の写真の刺繍編み(とでもいうのかな)のカラフルなブレスレットの発案者と言われれば、ピン!と来た。ここ数年、イタリア中で見かけるブレスレット。私なんて、「かわいいけど、これひとつ5ユーロ!10ユーロ!もすんの?家でも作れんじゃね?」と手芸も出来ないくせに思ってしまうので、クルチアーニとは全く縁がなかったのである。 ブレスレットには蝶々やハートなどのいろんな柄や色があるようだが、オリジナルの柄は四葉のクローバー。という訳で、ブルネッロのパネルもブレスレット風四葉のクローバーというわけである。葡萄の色使いが多いのは、それだけブルネッロが多彩だということを表現しているそうだ。 会場内 後日、再びモンタルチーノへ。 緊張しながら、会場へ入る。あまりにもの緊張のため、グラスを受け取ってすぐに落としてしまった。飲んでもないのに・・・。どういうこっちゃ。 アルファベット順に。 カパンナ Capanna ワインの味、施設、人、すべてにおいて私が敬愛するワイナリー「カパンナ」のオーナー・パトリッツォ氏。本日も惚れ惚れする格好良さ♪ 2008年も安心できる味わいだ。ダークチェリーの香りや適度なタンニンが美味しさを表現しているのだが、やはり若いのであろうか、もう少し落ち着つけば本領発揮するであろう。特筆すべきは、リゼルヴァ2007年。これは、もちろん若いのであるが、それなのに美味しい。タンニン、酸、深みのあるベリー系フリーツの香りのなかにほのかな樽。すべてにおいて、バランスが抜群。 フリーニ Fuglini フリーニのオーナー、マリア・フローラ女史。彼女のような気高く凛とした味わいのブルネッロ。 パラディーゾ Il Paradiso di Manfredi この試飲会で唸ったブルネッロの1本。初めて試飲するワイナリーだが、初めて味わうタイプのブルネッロ。ほのかな薬草の香り!たった2ヘクタールの葡萄畑を所有するワイナリーだが、ものすごく強力でオリジナルな味を造り出す。お見事。好みによるとは思うが、私は大変気に入った。 レ・キウゼ Le chiuse こちらも大好きなワイナリー。ロレンツォさんがにっこりと写真に応じてくれた。エレガントな味わいに最後に黒胡椒のスパイシーさも。また訪問するね~。 レ・ポタッツィーネ Le Pottazine ボトルの小鳥ちゃんがかわいい♪コルクにも忘れずに小鳥ちゃんが・・・。 アンナータはフルーティで口当たりがよい。リゼルヴァは、後味に極軽いミネラルも感じられる。 ラニャイエ Le Ragnaie ビオ・ワイン。畑ごとに3種類のブルネッロを造る。普通のものは普通に美味しいが、「ベッキア・ヴィーニャ」と呼ばれる一番古い畑(樹齢60年と言ったような?)は、持続性がありさすがの貫禄。 リシーニ Lisini しっかりとタンニンがあるが、フルーティさも忘れず。 マストロヤンニ Mastrojannni コーヒー焙煎で有名なイリーが所有するワイナリー。いつも美味しいワインを提供するマストロヤンニ。相変わらずレベルが高い。特に、単一畑のLoetoは酸が効いて、非常によろしい。 マテ Mate’ モンタルチーノの南地区で頑張っているワイナリー。(ソルデラの近隣に位置するワイナリー)まだワイナリー自体が若いのか・・・。頑張れ! ポッジョ・ディ・ソット Poggio di Sotto ビオ・ワイン。もう何もいうことはない・・・。昨年、訪問したときは「至高のエレガント」という限りなく透き通った印象で、それに加え、土地柄にミネラル感を期待していた私はちょっぴりがっかりしたのだが、今回は苺やラズベリーの優しさも加わり、絶品。 ピオンバイア Piombaia ビオ・ディナミコ・ワイン。ロベルトお父さんと息子のフランチェスコ。2005年まではいいものを造っていたが、ここのところちょっぴりレベル落ちた?と思っていたピオンバイアだが、2008年で復活。ロベルトに会うたびに、ぜひ応援したいと思う私は嬉しい限りである。ラベルも新しいものに替わり、やる気が見える。彼らの顔を「見たことある?」と思われた方もいらっしゃるかも。彼らは万田久子さんが司会をしていたテレビ・イタリア語会話で登場したワイナリーなのだ。 ポッジョ・アンティーコ Poggio Antico 定評のあるワイナリーだが、私はそれほど好みではない。レベルが高いと思うけれど、樽を少し感じるからかしらん。 クエルチャベッティネ Quercia Bettina 昨年は驚くほどいいものだったのに、今年はちょっぴり落ちたかな。印象が薄い。 サルヴィオーニ Salvioni 昨年も参加されていたのかしら?ずっとお目にかかりたかった、ジュリオ・サルヴィオーニ氏。頑固親父タイプかと思えば、とっても陽気なおじさんで飲む前からこの人が造ったものならば美味しいはず!と思えるお人柄。 ワインはとても完成度が高く、複雑さの中に時々顔をのぞかすフルーティーさ。大人の中のお茶目さというのか、ジュリオさんワインといった感じ。 サンポリーノ San Polino ビオ・ワイン。ブルネッロを2種類造るが、普通のものは普通に美味しい。が、単一畑のHelycrisumと呼ばれるブルネッロは、素晴らしい。ボトルの前に置かれている草Helycrisumが一面に咲く畑で造られた葡萄はこの香草の香りを含むワインが出来るという。Helycrisumは、キク科の黄色い花でよく見かける草花だが、日本語ではカレープラント?でいいのかな?カレーの味がするワインでは決してないのだけれど、どこか爽やかな味がする。 サンポロ San Polo ワイナリー施設が、省エネを実践の「カサ・クリマ」認証を受けているそうだ。あまり詳しくは判らないが、洗濯機などの電化製品の省エネの度合いをアルファベットで示すが、それと同じようなことで、建物全体の省エネ度合いが高いということらしい。「カサ・クリマ」の認証を受けているワイナリーはフリウリで1軒とサン・ポロのみ、と説明された(気がする)。HPを見てみると、確かに施設に面白い設備が付いているようだ。細部写真でわかりにくいが・・・。 というような施設は感心したが、ワインの味は印象に残らない。自然の一部として造られた設備なのだから、ワインも自然な味がでるようになればいいのだが、バリック使用だからだろうか?不自然な甘みがあるようだ。 シロ・パチェンティ Siro Pacenti バリックを使用するモダンな造り手の代表格。いちごやブラックベリーのフルーティさがあるが、バリックですよ!という押し付けがない。意外である。 ウッチェリエーラ Uccelliera こちらも強力な造り手の一人。オーナーは、こういっては何だが、田舎のお兄さん!そのもので、案内役のおばさんも土臭さ満点なのだが、都会的なエレガントさがある。今飲むよりも、これから先がものすごく楽しみというワイン。 まだまだ数軒試飲したのだが、写真が撮れなかった。特筆すべきは、Barbi。ここも有名なので私が云々言うところではないが。Barbiね、ま、ね・・。なんて斜に構えていた私だが、なんですか、後味のミネラル感がとってもよい! ブルネッロの試飲会に行くときは遠方ということもあり、時間制限の一本勝負という感じだが、今年も家に帰って「あ!ここも参加してたのか!」と思い残すワイナリーも。あんだけ飲んだはずなのに・・・。今度こそはゆっくりじっくり攻めたいと毎回思うのである。 ここのワインはちょっとねぇ・・・、なんて否定的なまるで通のような書き方をしたワイナリーもあるが、さすがにブルネッロ、いずれのワイナリーもすべて美味しい。今回の試飲は、一口は必ず飲んでいたので(美味しいところは、それ以上に)、2時間30分が限度であった。帰りは酔いが回り始め、手袋失くしたのがその証拠かも・・・。 ブルネッロは、トスカーナが誇るワイン。トスカーナって素晴らしいと思う瞬間である。

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