ブルネッロワイナリー2軒(1)

フィレンツェ発ブルネッロツアー

フィレンツェ発ブルネッロツアー

先日、昨年の春からコロナが蔓延して全てのツアーがキャンセルとなって以来、初めてのツアーをご案内した。行き先はブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイナリー2軒である。私が最も得意とする、私が最も愛する土地へのツアーの1つが復活第1弾であったことは、運に感謝するとともに震えるほど嬉しかった。朝、空を見上げると心配していた天候もどうやら青空が広がるようで安心した。

糸杉

1軒目はワイン関連者か収集家以外は訪問が難しいワイナリーで、今回、運よく予約が取れた。

ワイナリーに入る小道で、まっすぐと青空に伸びる糸杉並木が迎えてくれる。この土地の見守って来たであろう糸杉達はワイナリーの歴史の一部だ。

葡萄畑

醸造所の裏にある樹齢90年の葡萄畑がまだ現役というのに驚く。これから収穫を待つぶどうは2021年のリゼルヴァになるらしいので、ワインになっての再会は2028年ぐらい?そしてそれが飲み頃になるのは、さらに20年を要する。なんという壮大なストーリーであろう!

大樽

2018年のブルネッロとなるだろうワインが大樽で静かにゆっくりと熟成していた。2018年は比較的涼しい年だったと記憶するが、すでに販売されている2018年のトスカーナの赤ワインから想像すると、フルーティーさよりフローラルさが目立った繊細で落ち着いた味になるのではなかろうか?なーんて素人目に評価するも、ワインはそんな単純ではないし、そこが面白いのである。

素晴らしく透明度の高いワイン!美しいルビー色に光り輝く液体は飲み物を超えて宝石のようである。目で楽しむだけでなく、香り高い芳香が鼻腔を柔らかくくすぐる。そこから脳裏に浮かぶ思い出の香りを探す旅に出るのである。

このように飲む前から十分にその存在を楽しむことの出来るワインが、良いワインの条件の一つではなかろうか。一口ふくむと口の中に果実と、ヴィンテージによっては土の湿った香りなど複数の香りが順に広がった。そしてどのグラスにも共通の心地よい酸味がこのワインの女王たる所以を知らせてくれる。(ワインは男性名詞なので王と言うべきだが、サンジョヴェーゼの華やかさは女王を思わす)

モンタルチーノ

食後、次のワイナリー訪問まで少し時間があるのでモンタルチーノの街を散策した。城塞に登り、世界遺産の景色を堪能する。天気に恵まれて本当に良かった!

パネル

モンタルチーノといえば、壁に並ぶワインのヴィンテージ評価の星付きパネルが見どころの一つ。2019年を評価するパネルは5つ星でオリピックに向けて(下段真ん中)。1年遅れで開催されたオリンピックでイタリアは見事に世界記録を打ち出しスポーツから生まれた感動物語と、素晴らしい結果を残してくれた。

2020年の評価も5つ星とは!(下段右)確かに比較的いい感じの気候の1年だったかな。コロナ禍で苦しんだ1年乗り越え頑張ったね!の励ましも多少は入ってる気はするけど。星の評価自体が大雑把な目安で単なるイベントに過ぎないし、まぁ、それでもイベントとしては面白い。さて、パネルの肝心なイラストは、イタリアを代表する水泳の金メダル選手フェデリカ・ペッレグリーニのフェニックスの刺青だ。フェニックスは死んでも蘇ることで永遠の時を生きる不死鳥、コロナを生き抜いた時代にこれほど相応しいものはない。

2019年、2020年のワインがこのパネルに込められた思いを反映するものになりますように。

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