![葡萄畑](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-1.jpeg)
雨模様の一日、霞みがかった空気も秋の景色を詩的に演出してくれる。
赤ワインと焼き栗があう季節の始まりである。
![糸杉](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-2.jpg)
今日は、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワインの生みの親、ビオンディ・サンティのTenuta Greppo訪問の日。一度は訪れてみたいと思っていたが、ようやく機会に恵まれた。糸杉の並木をくぐり、いざワイナリーへ。
![オフィス](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-3.jpg)
蔦が絡まるオフィスが美しい。ビオンディ・サンティと意識するからか、建物にも貫禄が感じられる。
![ビオンディ・サンティ訪問](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-4.jpg)
案内役の女性ローレンさんに導かれ、敷地内へ入ると左手に、ビオンディ・サンティの屋敷がある。
![4種のワイン](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-5.jpg)
こちらのワイナリーでは、4種類のワインを生産している。樹齢5年から10年のぶどうの木から造られるロッソ・ディ・モンタルチーノは、クリーム色のラベル。樹齢10年から25年のぶどうの木から造られるブルネッロ・ディ・モンタルチーノは黒いラベル。同じく黒いラベルのブルネッロのリゼルヴァは、ぶどうの出来が良い年に限り樹齢25年以上のぶどうの木で造られる。灰色のラベルのロッソ・ディ・モンタルチーノは、ブルネッロ用のぶどうがブルネッロのレベルに達しない年に、それらのぶどうを用いて造られるものである。
表には、シリアルナンバーが書かれている。裏のラベルにはボトルの全生産数が書かれている。
![発酵タンク](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-6.jpg)
ブルネッロを発酵させるコンクリートのタンクから、第一次発酵とマセラシオンが終わり、果皮と種を取り除く作業中。リゼリヴァの発酵は木の大樽で行われる。ロッソはステンレス製のタンクにて。
![圧縮](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-7.jpg)
上の写真手前の木製の圧搾機は飾り用だが、ぶどうの果皮の圧搾に用いるのは、昔ながらの圧搾機の形をしたステンレス製のもの。ほかのワイナリーで、昔ながらの木製のものを使用している、またはモダンな機械は見たことがあるが、このタイプははじめてである。
![果皮](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-8.jpg)
取り除かれた果皮。多くのワイナリーでは搾った果皮は蒸留所へ運ばれ、グラッパとなって戻ってくるのだが、こちらではビオンディ・サンティ製のグラッパは造っていないそうだ。
![樽](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-12.jpg)
発酵が終わると樽で貯蔵される。写真の樽は19世紀末からのもので、ブルネッロはまずはこの樽に6ヶ月寝かせてかる。
![新樽](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-11.jpg)
次に、新しい樽に移し変える。樽はスロヴォニア製オーク材。
![ボトル保管](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-16.jpg)
最後に、ボトルにワインを入れてさらに寝かす。寝かされているボトルにはラベルが付いていない。注文が入り、出荷先の国仕様のラベルを貼って出荷するのだそうだ。
![ボトル詰め](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-9.jpg)
少し前まではラベル貼りも手作業だったそうだが、今ではD.O.C.G.のピンク色の帯以外は機械で貼る。(ピンクの帯は手で貼るのだ!)ラベル貼りが終わると、手作業にてワインのあけ方(飲み方)が書かれた札をボトルにかけ、一本ずつ包装して出来上がり。
ロッソとブルネッロのボトルはここに寝かされているが、最新のアンナータおよび歴代のリゼルヴァは地下のフランコ・ビオンディ・サンティ氏のみが鍵を所有する貯蔵室に保管されている。見てみたい・・・。
![ビオンディ・サンティ](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-13.jpeg)
一番左は、ビオンディ・サンティのオリーブ・オイル、その横はロザート。ロザートはプライベート用なのだそうだ。(しかし今ネットで調べたら一般にも販売されているようですね)案内役のお姉さん曰く、ロザートを造ったのは、ビオンディ・サンティ(フランコさんのかしらん)の奥さんが、いつもテーブルクロスが赤ワインで汚れる!と文句を言ったからだとか・・・。
ビオンディ・サンティで働くおじさんによると、「イタリアの旧王族エマヌエレ・フィリベルト・ディサボヤ氏(いや、エマヌエレのお父さんだったかな?)からのリクエスト」なのだとか。
個人的には、奥さんが文句言ったから・・というエピソードが微笑ましくていいと思うけれど。
![試飲](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-14.jpg)
普通にワイナリー訪問と試飲をお願いすると、最新アンナータのロッソ・ディ・モンタルチーノとブルネッロ2杯を試飲できる。しかし、今日は1998年のブルネッロも試飲させてもらえるとのこと、とってもラッキーであった!ロッソでさえブルネッロほどおいしいのに、1998年なんて注いでいる先から色がとっても綺麗。(おいしかったぐらいしか、表現できないのが悔しい。)
![フランコ氏](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-15.jpg)
見学・試飲が終わり、お客様がワインを購入したいとのことでオフィスへ戻った。ちなみに、ロッソで25ユーロ、ブルネッロ2005年で65ユーロだったと記憶する。何を買おうか吟味しているところへ、白髪の紳士が登場!当主フランコ氏ではありませんか!ミーハーな私は、感激です。とても気さくな方で、写真にも快く答えてくださいました。事務所なので机などが映るとだめだから、この背景で・・・とご指示が。こんなところにも美的なこだわりがあるフランコ氏でした。
![ロゼワイン](https://www.easyfirenze.com/wp-content/uploads/2019/12/18-10-2010-10.jpeg)
ワインを購入したお客様のみへの粋なプレゼントのロザートワイン。
上に登場したワイナリーで働くおじさんが「あんたもワイン好きかね?じゃ、あんたにもプレゼントしよう」と私にまで!!!更に感激!私のロザートは、ロザートの全生産数4,400本のうち、2,249本目である。とはいえ、2007年ものですが・・・。いいんです、それでも・・・。自分で購入することはないでしょうから。
今回ビオンディ・サンティを訪れて非常に驚いたのが、これほど大手なのにものすごく丁寧なワイン作りを行っていること。しかも、ぶどう畑25ヘクタールという小規模さ。何度も言うが、これほど大手なのに。妥協のない造り手とか謳い文句はいろいろあるが、アンチ大手な私は「ま、そうはいっても・・・」なんて冷たく構えていた。しかしビオンディ・サンティに限っては、ただの宣伝文句ではなく、それが実際に行われているのを感じ、とても好感が持てた。
こうやって楽しかった訪問を思い返していると、聞いてみたいことがいくつかある。またいつか訪れてみたい。