グラッタマッコ

ボルゲリワイン「グラッタマッコ」

ボルゲリ村

お昼はボルゲリにて。このボルゲリ村もその昔はそれなりに発展していたが、ほかの田舎と同じく徐々に都会に若者が出て行き・・・と廃村寸前になっていたのが、80年代のワインブームのお蔭で今では小さな村に10軒のレストランがあるほどに活発さを取り戻した。
リピートしたいほど美味しいお勧めのレストランでは、サッシカイアやオルネッライア、グアド・アル・タッソ、カ・マルカンダ、カステッロ・ディ・ボルゲリなどがグラスワインで飲むことも出来るし、ボトルで楽しむのならばお店に並んでいるボトルを棚から選び、レストランにてボトル販売と同じお値段で飲めて、ワインも充実している。
食後は、もう1軒のワイナリー「グラッタマッコ」へ。
グラッタマッコは、テヌータ・サングイドに続いてボルゲリで2番目に生まれたワイナリー。ほかのワイナリーに比べ、標高が高い。高いといっても、標高100mというようなレベルだが。丘に囲まれた畑は、白っぽい土に石がゴロゴロ。赤砂っぽい土が多いボルゲリの畑だが、ここはモンタルチーノなど、ほかのトスカーナの地区を思い出させる。

ボルゲリワイン「グラッタマッコ」

発酵はステンレスタンクとフランス製オーク材の樽を使う。熟成はフランス製のオーク材。珍しいことに、樽会社は1社のみを使用。

ボトル

過去のワインが保管されている。販売のためというよりは、オーナーが楽しむのと、どのようにワインが熟成していくのかを知る研究も兼ねている。グラッタマッコのオーナーはコッレ・マッサーリ社なのだが、ここはモンテクッコにコッレ・マッサーリワイナリーを、そして!2011年から(だったと思う)モンタルチーノのポッジョ・ディ・ソットを所有するのだ!美味しいワインの飲み放題やん!
施設は最近リニューアルしたとのことで、天井に使われている杉のいい香りが蔓延していて日本の旅館みたいなリラックス空間。

グラッタマッコ

3種類のワインを試飲ということだったが、本日は5種類を試飲させていただいた。


あまりボルゲリ慣れしていない私の全く個人的な考えだが、ボルゲリワインはおおまかに3種類に分かれると思う。
まずは一方にトスカーナらしいワインを造るところと、フランスはボルドーを意識した重厚なワインを造るところ。(ボルドーが重厚かどうか・・・。勉強不足でわからんが)
重厚ワインというのが、オルネッライアやドンナ・オリンピア。ガヤも、ピエモンテの出身なのでそうじゃないな?深みのあるワインは華やかなパーティにも恥をかかない繊細さがある。
トスカーナらしいというのが、サッシカイア、カステッロ・ディ・ボルゲリ、ジョヴァンニ・キャッピーニ、そしてグラッタマッコ。


サッシカイアは、ボルドータイプのぶどう品種を使用しながらも、スーパートスカーナの生みの親であるエノロゴのジャコモ・タキスが完成させたので、トスカーナの土壌を意識しながらのバリック(小樽)使いのワインが出来たのではないかと思う。エレガントで透明度が高いのである。サンジョヴェーゼ好きも唸らせるのではなかろうか。年によって違いがでるが、カステッロ・ディ・ボルゲリもこのタイプであろう。
そしてジョヴァンニ・キャピーニやグラッタマッコは、土壌を前面に押し出した、地中海の森の野性味を感じるワインではないだろうか。
グラッタマッコは土壌に泥灰質の砕屑岩の珍しい岩が含まれているので、ワインは鉄分よりの豊富なミネラルが素晴らしい。参りましたと思える気品はそれほどないかもしれないが、じわじわじわとやってくる個性が楽しめるワイン。


ボルゲリワインもそれぞれに特徴があり、それぞれに面白さがある。決して、この地区にボルドーワインを求めてやってきてはいけない。ボルドーと思って尋ねると、がっかりすることも多い。それはボルドーに劣るというのではなく、似て非なるものだからである。これを踏まえた上で、似てるところを探すのもよし、違いを楽しむのもよし、カヴェルネ好きの方はぜひ試していただきたい地区である。

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