オルチャ渓谷ウォーキングツアーへ。
久々に気持ちのいい天気に恵まれた昨日、オルチャ渓谷でウォーキングツアーへご案内した。
ツアーは、小さな村から出発する。朝の光を受けたこの村は、いつも来る昼食時とは少し違う。来るたびに気になっていた織物や小物のかわいいお店も開いていて、楽しめる。とても素敵なお店なので、次回、ぜひ紹介したいと思う。
高台にある村のテラスから、広がるオルチャ渓谷を眺める。谷の西の端、遠くモンタルチーノまで見渡すことができる。
村を出て、いよいよウォーキングに出発!まずはお馴染みのくねくね道へご案内。特に一面に緑が開けるこの時期は、絵葉書そのもの。
青い麦が揺れる様は、夏の到来を告げる。このあたりの小麦は秋(11月ごろ)に植えて、夏に収穫する「冬小麦」というもの。麦にも色々種類があり、硬質小麦や軟質小麦、そしてスペルト小麦などがあるはずだが、オルチャ渓谷へ来て初めて小麦と向かいあった私には、ちょっとやそっとではどれがどれかわからぬのものだ・・・。
目に爽やかな青麦も6月末には黄金色となり、日の光の下で更に輝きを増す。そのころには本格的な夏が始まる。
振り返ると、出発地点の村が遠くに見える。ところどころ見え隠れする白い道を歩いてきたのだ。
丘の向こうの村落が、世界遺産の町ピエンツァ。ツアーは、ピエンツァを目指して歩く。
1時間半ほど歩いただろうか。途中、昼食場所のアグリツーリズモへ到着。咲き乱れるジャスミンの花が芳香を放つ。
花は咲いておらずとも、藤の緑が石造りの建物に美しい。
アグリツーリズモの住民が姿を現す前に、まずは孔雀が挨拶してくれる。
さぁ、テーブルについて景色を堪能しながらお食事開始。
昼食の一部の写真のみだが、昼食は有機栽培で作られた野菜で始まる。トマトにフェタチーズ、アスパラガス、キャベツ炒め、ビート菜。そして、ヒヨコ豆にスペルト小麦のサラダ。すべて自家製の食材で作られる。ハムの盛り合わせも、自家製だ。アグリツーリズモはオリーブオイル、はちみつ、小麦粉、ワインなど何でも作っているが、主戦力はチーズ。トマトに添えられたギリシア風チーズのフェタチーズも、作りたてのリコッタチーズも、食後に供されるペコリーノチーズ(羊の乳)、カプリーノチーズ(ヤギの乳)の盛り合わせも、当然ながらすべて自家製で抜群の美味しさなのである。自家製ワインとともに、食も進む。
本日のデザートは、チョコレートケーキ。普通のスポンジ系のケーキだが、バターを使わず、あっさり、ふわふわ。決してパサパサしておらず、良い加減にしっとりと。アグリツーリズモのお母さんが作るケーキは絶品である。
濃いエスプレッソをぐっと飲み干すと、午後のウォーキングへ出発!
この辺りのワインは「オルチャ渓谷DOC」と呼ばれる。口当たりの良い、飲みやすいワインである。
後ろ姿を失礼!
写真を撮る者にとって、天候は神のみぞ知る、である。雨か・・・と思っていたら、急に日が差して虹が出たり、曇り空でも思わぬ色合いを醸し出したり・・・。雲ひとつない晴天では、立体感がでなかったり。せっかくの青空なのに、焦点を置きたい場所に雲の影が差していたり・・・。
まったくその瞬間ごとの出会いなのである。
今日の雲は、とてもドラマチック。午前はそうでもなかったが、午後になって雲を主役にしたいほど素敵な空となった。
緑の丘陵に赤い芥子の花がコントラストを沿えて。
本来の目的地はピエンツァまでだが、今日のウォーキングはここまで。午後は車でピエンツァとサン・クイリコ・ドルチャを巡り、一路フィレンツェへ。
車窓の景色も素晴らしいけれど、別世界のような田園風景を身近に感じた一日であった。
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