フィレンツェで高校生デモ

イタリアで高校生デモ

先週、フィレンツェの高校で学校への不満を表す為に学生が学校を占領するというデモが起きた。

彼等・彼女等は何に抗議したのか?

それはイタリアの学校制度と学舎の劣化についてだ。授業制度については「我々は学びたい。授業量を減らせと言っているのでは無く、授業の内容をもっとやる気の出る内容にせよ」ということらしい。それに加え、前学校年度はコロナ禍でDADと呼ばれる自宅で授業を受ける日々が続いた。そこで生じた精神的ダメージにももっと気遣えと。

フィレンツェの高校
CorriereFiorentinoから

学生達が抗議している内容は確かに納得できる面もある。特に、中心地の校舎について、私なぞは外部者の気楽さで「え?この歴史的建造物で学べるの?素敵!」と思ってしまうが、古いだけに劣化の具合がひどいのだ。

イタリアは、残念なことに国の教育投資が少ない。殆どが国立で無料というのは有難いが、幼稚園や小学校で例えばトイレットペーパーや石鹸、印刷用紙が不足しており、親が寄付しなければならない現状に驚くばかりだ。トイレットペーパーを設置しないのに関しては悪戯防止の為もあるとも聞くが、それにしてもである。(トイレットペーパーはトイレに行く前に学校用務員に貰うというのが、子供達の小学校だった。衝撃!)

車輪付き机

そして、対コロナで教育大臣がやったことは?

教室で簡単に距離を置くのに便利な車輪付きの机を作った。これは教育費の無駄使いの最たる例の一つだ。

イタリアで高校生デモ

校舎を占領させない学校の場合、学生達は授業をボイコットして集会を開いた。

高校生の我が家の子供達の学校は集会を開いたが、参加不参加はもちろん各学生の意志に委ねられた。娘のクラスは全員が授業参加で、息子は彼だけが対面で数人がオンラインで授業に参加した。写真は息子のクラス風景だ。流石に先生も授業ができないということで息子は早く帰宅した。

学生達の抗議内容は大いにありだとしても、ようやく対面授業が再開した今の時点でやることだろうか?ただでさえ遅れているというのに。

これは反ワクチン運動然りで、ドラギ首相が来年も続投するかどうかが懸念される中、極右派がここぞとばかり反政府運動として何らかの形で後ろ盾をしているのではないかと疑ってしまう。

とにかく、高校生の抗議は終わったようだ。少なくとも校舎が歴史建造物としての姿を守りながらも改築されることを願う。

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