ガンベロロッソ試飲会 (3)

ガンベロロッソ試飲会・赤ワイン編

アレッシ・イタリアの赤ワイン試飲会

エノテカ「アレッシ」は地下の部屋に赤ワインが置かれている。

このエノテカの個人的な感想は、ボトルのお値段は少々高め、イタリア全国のワインを取り扱っているのでトスカーナワインの選択はそれほど広く無い。しかし、地下にあるので温度管理がしっかりしておりボトルが横向きに並べられているなど、フィレンツェでこのお店ほど管理の状態が良いワインショップはないのではないか?と思う。いつ来ても素敵な空間である。

この地下で赤ワインの試飲が用意されていた。

Chianti Colli Fiorentini DOCG

キャンティ・コッリ・フィオレンティーナのワイナリーLe Querceは優しいオーナーさんがいらっしゃり、説明を聴きながらの試飲であった。気軽にワイワイと楽しみたいキャンティ、トスカーナの肉料理とともにゆっくり飲みたいキャンティ・リゼルヴァ、いずれもキャンティとは思えないほど(失礼!)柔らかくいい味だった。少々のメルロー品種が混じっていることも柔らかさに繋がっているのかもしれない。

カナイオーロ

4本試飲できる中で私が気になったのは、カナイオーロ品種100%のBelrosso。美しい赤という名前通り、少し紫がかった赤色がいい色だ。

カナイオーロはかつてはサンジョエーゼと同じぐらい植えられていたトスカーナの土着品種。今は華やかさを助けるワインとして少量サンジョヴェーゼに混ぜて使われることがほとんどであるが、実は単一で造っても深みはないが面白いワインができる。少し渋みというか苦味があるので好き嫌いはあるだろうが、トマトのパスタやグリルしたお肉にも良いだろう。

テラコッタワイン

これはTerra diVinoという名のサンジョヴェーゼ品種100%のワイン。Terraは土地で、di vino=ワインのと、divino= 神々しいを掛けた名前になっている。サンジョヴェーゼのみというだけでテンション上がり、その上、テラコッタ熟成である!そう、このワイナリーがある町インプルネータはテラコッタの産地なのだ。

綺麗に透き通ったルビー色でビロードのように柔らかく赤い果実のフルーティーさと程よい酸味、とサンジョヴェーゼの良さだけが詰まったまさにdivinoなワインである。若干の甘さを感じるのはテラコッタの影響か?と尋ねたところ、葡萄からという答えだった。その通りなのだろうけれど、数少ないが、かつて私が試したことがあるテラコッタワインに共通の蜂蜜を思わす味がした。これは、良い!

ワイナリー訪問も行なっているそうなので、テラコッタワインツアーにご興味ある方はご連絡ください! 

メルロー
Val d’Arno di Sopra DOC

アルノ川上流のワイン。キャンティクラシコ地区のすぐ外で、アルノの谷にあるワイナリーPetroloが造るメルロー100%。

写真がないのでこのワイナリーのものだったかわからないが、試飲にはカヴェルネ・ソーヴィニヨンもあった。お値段でワインを飲むつもりはないが、メルロー100%は他のワイナリーの例に倣うとしたら、きっといいお値段のものなのだろう。ただ私はメルローとカヴェルネ・ソーヴィニヨンに愛がないのだ。メルローもカヴェルネ・ソーヴィニヨンも本当に飲みやすく実に美味しかったし、飲めば、あ、そうだね、こんな品種だねとわかる味がしたぐらいの感想で、もっと味わえばよかったとこれを書きながら思う始末である。

コルトーナシラー
Syrah Toscana IGT

トスカーナの南東にコルトーナという街がある。土壌に砂が多いことでシラーの産地として知られるようになった。実はビオのシラーの造り手として、時々、名を聞くStefano Amerighiのものが試飲できるということなのでお邪魔した試飲会なのに、2本のシラーはワイナリーTenimenti d’Alessandroのものだった。エノテカのお姉さんがいうには、このワイナリーの方が一歩上だということだったが、うむ。飲んだことないから比べられん。でもシラーが2本もあって嬉しい。

シラー
Syrah Toscana IGT

シラーはジャムっぽいイメージがあって私はそれほど好きではないと思っていたのだが、トスカーナのシラーはイメージを変えてくれた。森の果実の他に、コーヒーやカカオ、香草が感じられて、ふくよかといよりはスマートさが目立つ。

さて、この2本のシラーだが、生産量から見てもMigliaraがワイナリーの生産するシラーのトップなのだが、私はBoscoの方が印象に残った。どちらかというと従来のシラー寄りなのでわかりやすかったのと、おそらくMigliaraは繊細なので時間が必要なのかもしれない。白トリュフや川の石を感じられるそうなので、再挑戦したい。

ニッツァ
Nizza DOCG

ピエモンテ州へ。アルバ近郊、ニッツァ・モンフェッラート市を中心に周辺18市が生産地区となるワイン。2014年にDOCGを取得した比較的新しい銘柄で、品種はバルベラ種100%だ。

ニッツァとはニースである。こんなところにもニースがあるのか!と驚いたが、いずれもサヴォイア家が所有した領地であった。

誰が飲んでも美味しく感じられると思うが、フレスコバルディやアンティノーリが好きな方は特に好まれるのではないだろうか。森の果実のジャム(コンフィチュール)、バニラ、チョコレートなど、口の中は柔らかい。しっかり煮込んだお肉ポレンタ添えが食べたくなる。

アマローネ
Amazon della Valpolicella DOCG

ブルネッロ、バローロに並びイタリアを代表するワイン「アマローネ」。甘美という言葉がぴったりな存在感。夏の気温が40度に達した死ぬほど暑かった2017年のヴィンテージなので、さらに甘さが目立つのかもしれない。ブラックチェリーのジャムを感じさせる芳醇さはこれからの寒い季節が似合う。暖炉の前で瞑想しながら、ゆっくり飲みたいワインである。(と妄想するワイン)

葡萄品種は、コルヴィーナ、コルヴィノーネ、ロンディネッリ。前者2つはいずれもコルヴォ=鴉から、最後はロンディネ=燕で、葡萄の色がこれらの鳥の羽の色に例えられるからだそうだ。とても微笑ましい。

ちなみに、イタリア3大ワインの価格は、バローロ、アマローネ、ブルネッロの順に高くなるそうだ。(2019年調べ)バローロの方が高いのかと思ったが、アマローネの場合、収穫後、日陰干しすることで水分が30%減少することを考えれば納得である。

ブルネッロ
Brunello di Montalcino DOCG

最後を締めくくるのは、我等がブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ワイナリーはリドルフィ。サンジョヴェーゼ品種100%。チェリーやラズベリーの赤い果実から始まる正統派のブルネッロである。開栓したばっかりのボトルだったので完全に香りが開いていなかったが、それでも少し待つと落ち着きが生まれイタリアワインの女王の貫禄を見せてくれた。

久しぶりの試飲会。違う品種を比べるのも、これまた楽し。

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