ホットチョコレート@フィレンツェ

フィレンツェでホットチョコレート

春のフィレンツェ

もしかして、もしかして、春なのかしら?という陽気の日々が続き、そろそろミモザも木蓮も咲き始めるのではないかと思える暖かいフィレンツェ。朝7時に起きても空がすでに明るいのは、心を軽くする。街角では花売りが春を呼ぶ花を売る。写真のダビデくんと春の関係?彼の裸体を見ても寒々しくないよね!というだけ。

少しずつ暖かくなるフィレンツェで、ホットチョコレートを飲み比べている私。今更なんでやねんと自分に突っ込みながらも、寒くなるとこうもあちらこちらでホットチョコレートを売り出すのを見ると、手遅れになる前に試しておこうという気がして来た。こんな使命感に押されて、現在試した4箇所のホットチョコレートをご紹介したい。
まずは、やはり老舗のリヴォワル/Rivoire…Piazza Signoria

フィレンツェでホットチョコレート

「ヴェッキオ宮殿で挙式後、このバールで乾杯をするというのが慣わしなのよ」と我々の結婚式で仲人をしてくれたオサレなお友達が言うに任せて、そんなことにはからきし疎い我々夫婦も何だかよくわからないながらに、ここで式後に一杯やった思い出がある。

チョコレート

それから思い出は完全に過去に仕舞い込まれ、我々夫婦がここに足を向けることは稀であった。とても素敵なバールなのに・・・。バールの地下にチョコレート製造所があるという情報を得て、ホットチョコレートもさぞかしいけるのでは?と期待を胸に入店した。
後で知ったことだが、ただのバールと思っていたが、実はリヴォワールというのは、フィレンツェがイタリア王国の首都であった頃、サヴォイア元王家の専属チョコレート職人であったエンリコ・リヴォワール氏によって1872年に創業したという歴史的なチョコレート屋でもあったのだ。

リヴォワールのホットチョコ

立ち飲みで一杯2,80ユーロ。
まったりとさっぱりの比率は、7:3ぐらいか。どちらかというとまったりなのだが、ほどよい感。生クリームを上に乗せるか?と聞かれたが、それはお断りした。後で旦那に、写真には生クリームがいるだろう!と指摘されたが、後の祭り。バールの雰囲気も手伝って、いい気分でいただけた。ウェイター、ウェイトレスのおじさま、おばさまに「あんた外国人でしょ、どうせ」というようなギスギス感がなく、いやらしい慇懃さもなく、老舗と呼ばれるバール中で一番温かみがあるのではないか?と思える。
ちなみに、立ち飲みで前述の値段だが、ベッキオ宮殿を眺めるテラスに座ると6,5ユーロ。生クリーム付きで8ユーロ、カフェ4,5ユーロ、アイスコーヒー5,5ユーロ、カプチーノ6ユーロ、紅茶6,5ユーロというような値段になる。寒いのでテラスでとは気分に沿わないが、おそらく室内で着席しても同じような値段であろう。店頭にドドーン!と値段表が貼ってあるのは、とても良心的である。


次は、ヴェストリ/Vestri…Borgo Albizi, 11/r

ヴェストリ店

ここは日本に進出しているので、ご存知の方も多かろう。アレッツォが本店の、自分達のカカオ農園まで保有するチョコレート屋。

チョコレートヴェストリ

いつ見てもかわいいパッケージ。ジェラートしか買ったことないけれど・・・。きっとフィレンツェで購入するほうが安いのだろうけれど、こう何もかもが日本でも手に入るとなると、いいのか悪いのか。支店があるといっても、東京以外では(あと名古屋にも取り扱い店があるようだ)手に入れることが難しいだろうから、それでもフィレンツェで買う価値はあるのかもしれぬが。

ヴェストリのホットチョコ

実はこの日、このお店に行って「さ!ホットチョコレートを!」と思いつつ、コーヒーも飲みたい気分だった。そうすると丁度、私の前にいたおば様がコーヒー入りホットチョコレートなるものを頼んでいるではないか!これだ!と思った私は意気込んで「同じものを」とお願いした。
コーヒーは、バールのエスプレッソ機械ではなく、家庭用の機械で入れたものなので薄味ではある。そこにチョコレートを注いで、出来上がり。これはコーヒー入りなのでチョコレートのこってり感が薄いのか、こちらのホットチョコレートがもともとさっぱりしているのか?むむ、これではホットチョコレート比較にならん!といことで、純粋なホットチョコレートを再挑戦せねばならぬ。
このコーヒー入りホットチョコレートは試験的にやっていたのか、お店のお兄さんにしきりに「どう?お世辞はいらんから本音教えて!」と意見を尋ねられたが、「ああ、ちょうど今、コーヒーとホットチョコレート両方飲みたいと思ってたから、今の気分にぴったりやで!ナイス!」と答えといた。私はヴェストリのお兄さんをその昔からずっと気に入っているので「家庭用コーヒーマシーンやからか、ちょっと薄いで」という否定的な意見は言われへんかった。これはこれで美味しかったけど、やっぱ薄いで。
写真のカップは小で、ホットチョコレートは1,90ユーロだったと記憶する。コーヒーを入れるとちょいと値上がる。


次は、アルテ・デル・チョコラート/Arte del Cioccolato…Piazza Santa Elizabetta(残念ながら、現在は閉店)

アルテデルチョコラート

フィレンツェ近郊の町ピストイア出身のロベルト・カティナーリ氏が作りだすチョコレート。約20年間、スイスでチョコレートを学んだ後、イタリアへ戻り1974年に自分の名前を持つお店を開けたそうだ。フィレンツェにお店がオープンしたのは5年ほど前だったと思うが、実は40年近くの歴史のあるチョコレート屋なのだ。

店内のチョコ

店内に並べられた美味しそうなチョコレートたち。「チョコレートの芸術」というだけあって、携帯電話やくまちゃん、鍵など、ユニークな形のチョコレートも。

フェッラーリのチョコ

フェッラーリ好きにはいいお土産かも?

コッコレ
ホットチョコ

ではでは、ホットチョコレートを。ミルクチョコとダークチョコの2種類がある。娘用だったので、ミルクチョコを。まったりとさっぱりの比率は、9:1。かなり濃い。最後はスプーンですくわないと飲み干せない。さすがに美味しかったが、ミルクチョコレートは甘くて、娘から1,2杯貰う程度で満足した。
これで、3,50ユーロ。ほかにも、ダンテの神曲の登場人物の名が付いたチョコレートに関する飲み物がある。
ヴィルジリオ(コーヒーとチョコレート)2,50ユーロ、カロンテ(チョコレートパウダー入りホットチョコレート)3ユーロ、ベアトリーチェ(ホワイトチョコアイス入りホットチョコレート)3ユーロ、パオロとフランチェスカ(チョコジェラート入りホットチョコレート)4ユーロ、ウゴリーノ卿(ラム入りホットチョコレート)4ユーロなど、面白いので書き出してしまったが、ベアトリーチェを飲んでみたい。Jetmkさんも飲んでみたいでしょう?(突然の名指し、お許しを)


最後に、コッコレ/Coccole…Via Ginori 55/57r

コッコレのチョコ

こちらは、若手のチョコレート職人ダヴィデ・ベロッティ氏によるチョコレート屋兼カフェテリア。

2009年にオープンなので、あら?こんなところに素敵なところが出来たのねと思ったのが、記憶に新しい。入ってみたいと思いながら、いつも人が多くてついぞコーヒーさえも飲んだことがなかったが、ようやく入店。ケーキもお行儀よく並んでいる。どれも美味しそうである。

板チョコ

店名入りの板チョコも、当然ながら販売している。そして私の目を引いたのは、数々の紅茶の缶!ギャ!これは嬉しい。

店内コッコレ

店内は座ることも出来る。座席料は取られるが、許容範囲内である。セルフサービスかどうかはわからぬが。エスプレッソで2,10ユーロ、カプチーノで2,60ユーロ、ホットチョコレート大4ユーロ/小3ユーロ、紅茶は4ユーロというような感じである。

コッコレのホットチョコ

こちらもまた、ミルクチョコと60%ダークチョコがある。お店の人によると、お客の約3分の2がダークチョコを好むそうだ。私も然り。まったりとさっぱりの比率は、8:2。立ち飲みだと、2ユーロ60ぐらいだったかな。
個人的には、4箇所(ヴェストリは飲んだと言えないが)のうち、この最後のホットチョコレートが気に入った。とろみ具合も好みであるし、チョコレート自体も一番好きであった。しかし、味の違いはまったく微妙で、日が変わり新しいのを飲む度に「あ~、美味しい」と感じてしまうので、比較も何もあったもんではないが・・・。お店もかわいいので気に入った、ということも点数に入ってしまっているのかもしれない。
我がホットチョコレートの旅は、まだ続くのであった・・・。(たぶん)
フィレンツェで寒い日に歩き疲れたら、心も体も温まるホットチョコレートをどうぞ。

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