秋のキャンティクラシコ地方。

1年中、ガイドの仕事でトスカーナ州の観光地をあちらこちら巡る機会に恵まれるが、トスカーナはどこをいつ訪れても美しい場所である。とはいえ、その場所が最も美しさを発揮する時期というものがある。

それが、秋のキャンティ地方。波を打つ丘陵地に森とオリーブ林の緑の中で葡萄畑が黄金色に輝く。ため息がでる美しさである。

アメリカツバキだろうか?黄葉が多いトスカーナの秋に、赤色を添える。

ローズヒップのような西洋サンザシが実が可愛らしい。秋の実は楽しい。

小さなオリーブの木だけれど、姿がとても美しい。オリーブが描かれたテーブルクロスなどのリネンがあるが、まるで絵に描いたような姿の木だ。

オリーブの実のいろんな色が交じり合い賑やかに。トスカーナのオリーブは、不作が続きでさみしかったが、ようやく今年は豊作と聞く。晩秋はオリーブの収穫の時期である。

トスカーナの主な葡萄品種は、サンジョヴェーゼ。その名の由来は「サングエ・ディ・ジョーヴェ/ゼウスの血」とも言われる。この名から想像したワインは濃い暗褐色に思えるが、実は透明度が高い綺麗なルビー色をしている。色素の薄い繊細な葡萄なのだ。だから、葉っぱも黄色。しかし、キャンティクラシコワインの場合、サンジョヴェーゼの他に別の品種を混ぜることが可能だ。それで、色素の濃い葡萄品種やスーパートスカーナなる名前で人気が出たメルロー、カヴェルネも植えられている。これらの葉が赤色になるので、黄色の中に赤が混ざりとても綺麗なのだ。

まっすぐに列をなす葡萄を見ていると、気持ちがいい。

この日は午前は曇り空だったが、それがまた秋らしさが際立つ。朝方は、霧が出ていた。

葡萄畑の忘れ物。一人じゃないから寂しくないね。

この美しさを共有したい。もしも期間的に可能ならば、10月末から11月初旬は、是非、キャンティ地方で過ごして欲しいと思うのです。
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