バディア・パッシーニャーノ「アンティノーリ」訪問

バディア・パッシニャーノのアンティノーリ。

アンティノーリ家はフィレンツェの貴族で、1385年までさかのぼる歴史あるワイン生産者である。ワイン生産者として世界で三番目に古い。イタリアをはじめ、ハンガリーやアメリカ、チリなど世界にまたがりワイナリーを持つアンティノーリは、出身地であるトスカーナ州にはキャンティクラシコ地区にティニャネッロ農園とバディア・ディ・パッシニャーノ農園を所有する。 アンティノーリのワインといえば、お値段も手ごろなサンタ・クリスティーナや、スーパートスカンと呼ばれるティニャネッロとソライアが特に有名であろう。アンティノーリのサンタ・クリスティーナは飲みやすいなと思うが、「アンティノーリ?だからどうよ」なんてずっと思っていた。(←サンタ・クリスティーナしか飲んだことがないからだが・・・) しかし、仕事でBadia di Passignanoにあるワイナリーを訪問する機会に恵まれたので、アンティノーリの魅力を探ってみようと思う。 395年にフィレンツェの大司教により建てられたヴァッロ ンブローザ派の僧院を、1987年にアンティノーリ家が土地の一部と貯蔵庫を買い取り、キャンティクラシコワインの生産を始めた。 バディア・パッシニャーノのアンティノーリ パッ シニャーノの僧院では、中世の時代から古典や音楽の写経、学術研究の推進、森林やぶどう畑などの栽培に力を注いでおり、1587年には、あのガリレオ・ガリレイが教示を与えたこともあるそうだ。 写真は、バディア・ディ・パッシニャーノを代表するワイン、キャンティクラシコリゼルヴァD.O.C.Gであるバディア・ア・パッシニャーノが作られるぶどう畑。 葡萄畑 手前に見えているぶどうの木は、なんと、樹齢42年!私と同じような年齢とは、驚きだ。(あ、まだ私のほうが微妙に若いけど) また、手前の畑と奥に見える畑では、太陽があたる角度や周りの丘の有無により日照時間 が違ってくるため、ぶどうの木の高さや水やりなど、それぞれの立地条件にあった方法がとられる。隣接する畑なのに、と思うのだが、この細やかさがおいしいぶどう、すなわちおいしいワインとなるのだろう。ワインは「ぶどうの実から作ったお酒」という一見単純な代物なのだが、実はとても奥が深い。だから、おもしろい。 ここのワイナリーを案内してくれるのは、ワインの専門家であるマウリッツォ氏。ソムリエはもちろんのこと、彼は輸入されるイタリアワインの成分が表示通りかなど、ワインの品質チェックの仕事もロンドンにてされているそう。この手の仕事に関する本が日本語にも訳されたので勉強してみたらどうか、とソムリエであるお客様に勧めていたけれど、日本ではワインが輸入されるとき、どこまで成分チェックが行われているのだろうか。ほかのワイナリーで、日本へ輸出する際はきちんと成分表を提示しないとチェックが厳しいという話も聞いたことがあるけれども・・・。 見学 スーパートスカンであるティニャネッロを生産するティニャネッロ農園は3キロ離れた場所にあり、その方角を指すマウリッツォ氏。 目前には、ここがフィレンツェから車で30分ほどとは思えないのんびりとした田園風景が広がる。 午後の日差しの下、おもいっきり伸びをして自然の空気をいっぱい吸うと気持ちがいい。 樽 僧院の地下にある貯蔵庫に一歩踏み入れると、ワインの香りが・・・。置かれている樽の多さにびっくり!中世の時代に作られた貯蔵庫の壁は厚さ1メートルはあり、冷暖房機器のなかった昔から外気に左右されずに1年中一定の気温が保つことがで きるすばらしい自然の設備である。歴史があるだけに、貯蔵庫は見ごたえのあるものであった。 そして、僧院に隣接するオステリアにてアンティノーリが生産する4種のワインを試飲。 試飲 Marchese Antinori. Chianti Classico Riserva D.O.C.G. マルケーゼ アンティノーリ、キャンティクラシコリゼルヴァD.O.C.G. Badia a Passignano, Chianti Classico Riserva D.O.C.G. バディア ア パッシニャーノ、キャンティクラシコリゼルヴァD.O.C.G. Pian delle Vigne, Brunello di Montalcino D.O.C.G. ピアン デッレ ヴィーニェ、 ブルネッロ ディ モンタルチーノD.O.C.G. Tignanello, Toscana I.G.T. ティニャネッロ、トスカーナI.G.T. ソムリエをされているお客様はブルネッロ・ディ・モンタルチーノがお好きだということで、やはりアンティノーリでもブルネッロが一番とおっしゃていた。そのお友達の方は、キャンティクラシコはどこかアグレッシブな感がするので苦手だが、カべルネ・ソーヴィニョンを少し混ぜることで柔らか味がでるからか、ティニャネッロが飲みやすいとのこと。1件目のワイナリーでも、やはりカべルネ・ソーヴィニョンがはいったスーパートスカンの味がお気に召したようだ。私はキャンティクラシコ地区のサン・ジョヴェーゼが好きなので、やはりバディア・ア・パッシニャーノが一番と思えた。 ワイン ワインは何の種類のぶどうを使用したか、またどこの土地でとれたものかにより味・香りが違ってくるのは、当たり前でなんでもないようなことだが、ワインにも飲む者にも、グラスを通してそれぞれ個性が見えて楽しいものである。ちなみに、ソライアについてマウリッツォ氏に尋ねると、ソライアも試飲させてくれてラッキー!とはいえ、お客様のみの試飲でございました。くくくッ。でも!お客様が喜んでくれたので、よしッ。ありがとう、マウリッツォ!五分刈りに、ぐるぐるしたお目々できょろきょろする姿を見て、ダチョウみたい・・・なんて密かに思った私を許しておくれッ! キャンティクラシコワインは食事と飲むワインとされているが、スーパートスカンは食事中はもちろん、食後、瞑想のためのワインともいわれている。いつかティニャネッロかソライアを飲みながら、ゆっくりした夜を過ごしてみたいものだ。

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