トスカーナワイン赤飲み比べ。
ワイナリーを訪れる面白さは、飲み比べができるところである。大勢での食事会でならば可能だが、なかなかじっくりワインだけを考えながら飲む機会は少ないのではないだろうか。
本日のツアーは、キアンティクラッシコVSブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
まずは、キアンティクラッシコワイナリーから。
畑を見学。コルドーネ・スペロナートはトスカーナの伝統的な植栽法。ぐんぐん新枝が伸びている。幸い、ここでは先日の霜の被害は受けなかったそうだ。
日曜日に訪問できるワイナリーは限られているが、このワイナリーはキアンティクラッシコ、リゼルヴァ、グランセレツィオーネ(いつも試飲できるわけではない)、スーパートスカーナ、ヴィンサントと一通りキアンティクラッシコ地区で生産しているワインを試飲できるところが気に入っている。
とにかく最高にエレガントなキアンティクラッシコを!と希望されるお客様には不向きなワイナリーかも知れないが、本来あるべき姿のキアンティクラッシコと、それから派生するレベルアップしたワインを知りたい時には適切である。
ワイナリーが生産するスーパートスカーナは、ボルドーブレンドに少しのサンジョヴェーゼが入る。フランスワインをよくご存知の方にとっては、ボルドーブレンドのスーパートスカーナは、よっぽどの代物でないとボルドーワインに比べて残念ながら劣ってしまうのではないかと思う。餅は餅屋である。しかし、トスカーナで育てられたカヴェルネとメルローを知るには、いい機会である。
2005年ヴィンテージの甘口デザートワイン『ヴィンサント』。イタリア製の小型の樽に入れて熟成させる。熟成期間は、白ぶどうから造るキアンティクラッシコのヴィンサントの場合、最低2年。(ちなみに、モンテプルチャーノ地区の白ぶどうヴィンサントは、最低3年)
このヴィンサントは、5年間樽熟成、6年間瓶熟成させたそうだ。干しぶどうの自然な甘みが上品で、ビスコッティとともに頂くと最高の大人のデザートとなる。カスタードクリーム、タルトとも相性がいい。ジェラートにかけてという人もいれば、ジェラートの冷たさで口中の感覚がなくなってしまい味わえないという人もいる。ちょっと冷やして、生ハムやゴルゴンゾーラ、鳥のレバーのパテ、フォアグラと合わせるというのも人によって意見が異なる。前述のお菓子との相性は、全員一致で絶賛である。
トスカーナの農家は、なんとお洒落なことか。
次に向かうのは、モンタルチーノ。小一時間、さらに車へ南へ走らせる。
モンタルチーノで昼食を終えてから村を少し散策して、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのワイナリーを訪れた。
同じサンジョヴェーゼでも、キアンティクラッシコは食事が欲しくなり、ブルネッロはエレガントの一言に尽きる。
大樽って、見応えあるわ~。大好き!地下4mの貯蔵庫。
ここは年間総生産数が100万本の大きなワイナリー。ロッソ・ディ・モンタルチーノ2種類、ブルネッロ3種類を生産している。他に、白ワイン、IGT赤ワイン、グラッパ、モスカデッロも。
ここでの飲み比べの面白さは、ロッソ2本とブルネッロ2本。まずは、基本のロッソとブルネッロ用に登録した単一畑のロッソを飲んでみる。次に、お客様が選択したブルネッロは、ワイナリーの看板でトップクラスの単一畑のブルネッロと、単一畑のロッソの畑と同じ畑から造ったブルネッロ・リゼルヴァを試す。
飲み比べは、まずはロッソ同士で。それから、ロッソとブルネッロの違いで。さらに、ブルネッロの同士で。畑の位置の違いで。
単一畑のロッソとリゼルヴァのブルネッロは、南寄りの同じ畑なので特徴が似ている。一方、トップクラスのブルネッロは北東の畑。酸味もあり、これこそブルネッロ!だが、ポテンシャルはあるがまだまだ若い。
ゆっくりと試飲をした後は、丘陵地に広がるぶどう畑を見ながら、一路、フィレンツェへ。
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