フィレンツェで一番美味しいジェラート屋

フィレンツェで一番美味しいジェラート屋をご紹介。

 

世界で愛されるイタリアの氷菓子といえば、ジェラート。ジェラートはイタリアのアイスクリームと言いたいところだが、ジェラートとアイスクリームには違いがある。

ジェラートは乳脂肪分が8%以下であること、一方アイスクリームは10%を下がらない。加えて大切なのが空気含有量。空気が入ると口当たりが柔らかくなるので必要不可欠な要素だが、適量というのがある。ジェラートの場合は25%から40%まで。アイスクリームは60%以上だそうだ。空気が多いほど溶けるのが遅くなるので長期保管が効く。そして空気が少ないほど冷たく感じて素材の味が強調される。空気含有量低すぎると冷たすぎるが、50%を超えると素材の香りを感じることが難しくなり香料を加える必要があるそうだ。

まとめると、ジェラートはこってりしておらず、濃密で、新鮮で、素材を感じることができるということ、かな。

フィレンツェで、そんな本物のジェラートに出会えるお店がここ「ジェラテリア・デッラ・パッセラ」

ジェラテリア・デッラ・パッセラ
Gelateria della Passera

住所:Piazza della Passera

先日、ここに邪魔にしてお店を代表する味「モナ・リザ」がどのようにできるのかを見せていただいた。その様子は後述の動画をご覧いただけます。

お店のオーナーのチンチア さんが情熱を込めて作っているジェラートは芸術的である。彼女は学生時代に美術修復を学んだとのことだが、美術修復には芸術的な感覚と何よりも化学の知識が重要となる。なるほど、チンチアさんが作るジェラートも化学の知識の土台に芸術的感覚を乗せて作品が出来上がる。それゆえにチンチア さんの味は芸術の街であり職人の街でもあるフィレンツェらしいな、と思う。

動画でご紹介した「モナ・リザ」味も大好きだが、私が最初にショックを受けた味が、Crema ai 7 Profumi / 7つの香りのクリームだ。

チンチアさんは食料店で新しい変わった味を見つけたら絶対それを試したい派と語ってくれた。実は私も全く同じで、私が選ぶ変わった味は定番好きの旦那からいつも冷たい目で見られ、時には選んだことを後悔する。しかし好奇心は萎えることを知らず、このお店で見つけた「7つの香りのクリーム」なるものを、これは!と試した。

程良い甘さで、それぞれの味覚が美しく調和し、今まで食べたことのない味が口の中に広がって食べ終わころにはすっかりこのお店のファンになっていた。10年ほど前の話だろうか。

(蓋付容器は美味しさの目安)

苺やキゥイなど季節の果物を使ったストレートな味も美味しいが、チンチア さんの調合した魔法の味のジェラートを、ぜひとも試していただきたい。好き嫌いはあると思う。またリキュールが入っているものもあるので、お子さんには果物系のストレートな味をお薦めする。何れにしても、親切な日本人のスタッフさんがいらっしゃるので安心して相談できるのも有難い。

カモミールやミント、ラヴェンダー、リンデンフラワー(セイヨウボダイジュ)などの香草系も素晴らしいが、特筆したいもう一つの味がある。

それは、ジェラート屋の正面にチンチア さんと旦那様が営む 、これまた素敵なバールCaffè degli artigianati があるのだが、このバールと同じ名前の珈琲味のジェラート。どこの珈琲焙煎会社の豆を使っているのか?という問いに、ジェラートには4種類の豆を混ぜて作っているという。このこだわり具合、非常に気になるではないか。味見をすると・・・。ちゃんと珈琲の苦味もあり、とにかく風味が豊かである。午後、バールで珈琲を飲むと夜眠れないので、代わりに珈琲味のジェラートを食べることがある。珈琲味のジェラートで思い出に残る味は、珈琲豆をミルクで煮出し風味をつけたタイプのもの。珈琲というよりは豆の味が良い。これ以外は、珈琲というよりジェラートだよね(当たり前だが)と言った感じで特筆すべき珈琲味に出会ったことがなかった。しかし、ここのはインパクトがあり、ジェラートというか珈琲!なのである(ジェラートやけど)。そして食べた後も口の中に残る珈琲の風味、お見事である。

甘さも絶妙で、喉が乾かないジェラート、フィレンツェへお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね。

この記事をシェアする

Facebook
Twitter
Pinterest

関連記事