ホーム blog » チヴィタ・ディ・バーニョレージョ 死にゆく町 イタリアの町, チヴィタ・ディ・バーニョレージョ 2011-05-17 死にゆく町チヴィタバーニョレージョへ。 ラッツィオ州にある村チヴィタ・ディ・バーニョレージョは、「天空の町」として今では広く知られるところだ。すでに訪れた方たちも多かろう。 「天空の町」という取ってつけたような呼称は何だかなぁ・・・とひねくれた私はいつも思っていたものだ。しかし、この村へやってくると天空に浮かんだような村を「天空の町」以外にどう呼ぶべきか?と思わずにはいられない。 村の地盤である凝灰岩は地震と雨風の影響で徐々に風化しているという。今では、隣町のバーニョレージョとチヴィタ・ディ・バーニョレージョの村は1965年に建設された300mの橋で行き来するが、以前は山道でつながっていた。(写真は1874年のもの) いつの日か、この山道のように地盤風化によって村自体もこの世から消えてしまう運命にある。それ故、チヴィタ・ディ・バーニョレージョ出身の作家がこの村を「死にゆく町」と詠った。 橋を渡り、村へ入ってみよう。 以前は村には5つの門が存在していたが、今は橋とつながるサンタ・マリア門を残すのみ。絡まる蔦がいい感じだ。秋の紅葉した風景も見事である。 時間が止まったような建物に、季節ごとに異なる表情を見せる植物との対象が詩的である。 トスカーナの田舎町はたくさん巡った。トスカーナの田舎町の美しさ、田舎でありながらエレガントでもある様はほかに追随を許さないものだと思っていた。トスカーナ至上主義の私だが、この村の「死にゆく町」という理由だけではない唯一無二の魅力に参ってしまった。 住民は8名というが、本当にそうなの?と疑いたくなるほど村中が花に溢れ、綺麗に手入れされている。(驚くほどの数の小型ゴミ箱が設置されている!これも美化の一環か。写真には少し邪魔にならないでもないが・・・) とても小さな村なのに特徴的でいかにもおいしそうなレストランがいくつかある。どれもこれも、試したくなる。 猫も恋人たちも、絵になるのだ。 村の反対側では、月世界のような地形が見られる。オルチャ渓谷あたりから、イタリア語で「カランキ、日本語(英語?)でバッドランド」と呼ばれる、この手の地形は少しずつ見られるが、ここに来て圧巻の景色である。 村から見た橋の風景。橋を歩いていると、5月の今、見事に咲き乱れているエニシダの甘い香りが漂ってくる。 違う場所からもう一枚。 この村は、一度は訪れたい町のひとつではなかろうか。 ブログランキングに参加しています。よろしければ、応援クリックお願い致します。 にほんブログ村 人気ブログランキング チヴィタ・バーニョレージョとオルヴィエートツアー 天空の城チヴィタ・バーニョレージョとオルヴィエートを日本人ツアーガイドと巡ります。 ツアーページ この記事をシェアする Facebook Twitter Pinterest Tomoko easyfirenze.com ワインとチーズソムリエの資格を有するイタリア政府公認ツアーガイド・添乗員。 ワインと花と本が好き。自転車でトスカーナを巡る2児の母。 Prev前へ田舎町のお祭り 次へチンクエテッレの鉄道Next 関連記事 スペッロ スペッロ訪問 冬のスペッロ訪問 リクエストを頂き、ウンブリア州ス 続きを読む » 2024年12月22日 オルチャ渓谷 チヴィタ、ピエンツァ、モンタルチーノ アレンジツアーで、チヴィタ・バーニョレジオとオルチ 続きを読む » 2019年7月25日 ペルージャ 霧のペルージャとアッシジ ペルージャとアッシジへ。 12月、霧が深く立ち込め 続きを読む » 2019年1月20日 ミラノ ミラノ散策・建物 ミラノ散策 ミラノを観光するには徒歩でも十分だと思 続きを読む » 2018年3月18日 « 前のページ 次のページ »