アーモンドを使った郷土菓子(1) アマレッティ

アマレッティ。

初春のトスカーナは、アーモンドの花とともに始まる。其処此処に咲くアーモンドは昔からトスカーナで愛されてきた。 材料があるということで、アーモンドを使用したお菓子も多い。そこで、アーモンドを使った郷土菓子のお店を3軒巡るツアーを提案することにした。 1軒目は『カルミニャーノのアマレッティ』。 アマレッティ 材料はアーモンド、卵、砂糖。私はあまりマジパンの味が好きではないので、 アマレッティが大好きというわけではないが、マジパン系の味が大好きな旦那は、『ちゃんとアーモンドの香りがして化学的なものが入っていないのがわかる。さすがに美味しい』と。自然な味がするというのは確かに。すでに包装されて売っているアマレッティはそれなりに美味しいけれど香料なのか何やら不純な味がするが、これはイタリアのお菓子らしくかなり甘いけど素朴で品の良い味 カテリーナ・デ・メディチによってフランスに渡り進化してマカロンになったと言われるアマレッティは、イタリアではちょっと硬めと柔らかめがある。こちらは柔らかいものである。フランスではアミアンのアマレッティと呼ばれるのかな? アマレッティのお店 カルミニャーノのアマレッティのレシピ考案者は、菓子職人ジュゼッペ・ベッリーニ。1897年のことである。ベッリーニは今で3代続く焼き菓子屋である。 アマレッティの店内 いかにも田舎のお菓子屋といった感じの店内。Bottega di Fochiとあるが、Bottegaはお店、Fochiは火(炎)。炎はイタリア語ではFuoco(Fuochiは複数形)だが、トスカーナ弁でFoco(複数形でFuochi)。なので、炎のお店。なぜこんな別名が付いているかというと、1代目のジュゼッペさんはとっても怒りん坊だったそうで、炎というあだ名で呼ばれていたから。 お菓子 焼き菓子屋なので、アマレッティ以外にも他のビスコットも売られている。写真のものは『砂漠の薔薇』。砂漠で採れる石に似ていることで、とてもロマンチックな名前が付いている。小麦粉とアーモンド粉にレーズンが入ったビスコットの周りにはコーンフレークという単純なものだが、とっても美味しい 私、これ、大好きなんだな!家で作ってみたいといつも思うが、未だ実現していない。 お菓子2 これはね・・・説明忘れた。でも、ちょっと複雑な手順で、すごく美味しかった♪ 袋 500gから、こんな袋に入れてくれる。半キロとはなかなかの分量ではあるが それ以下だとフツーの白い紙袋なので日本にお持ち帰りは難しいかしらん。ジプロックに入れる???アマレッティとそれ以外を混ぜたら500gにはなるかなぁ・・・。あ、ビスコットはいずれも量り売りである。 乾燥イチジク カルミニャーノは乾燥イチジクでも有名なのだ。アーモンドと同じでイチジクもトスカーナには欠かせない木。モンテリッジョーニの城塞の城壁からもにょきっと生えているほど、トスカーナでは至る所で見かける。 8月ごろに生イチジクを収穫し乾燥させ、出来上がりは10月。10月中旬の週末にカルミニャーノの村で乾燥イチジク祭りが開催され、その日から販売開始となる。冬の期間、特にクリスマスシーズンに食べるもので、賞味期限は翌年の春までという商品である。 乾燥イチジクは、初夏の小麦、秋の葡萄とオリーブの合間に行われ、昔は主に女性担当の仕事だったそうだ。私がイタリアを好きな理由の一つに、多くのものが自然のサイクルに合わせて作られてきて、それが残っているというところである。乾燥イチジクは観光業として考えると、8月からのイチジクを乾燥する風景は見応えがある、でもその時期は商品がないし、商品期間は半年弱のもの。使えねぇとも思う反面、稀少価値は置いといて、生産に無理がないところに魅力を感じる。 実はカルミニャーノの乾燥イチジク産業は一時低迷し、忘れ去られた感があるものだった。最近になって、イタリア農林食糧政策省が認定するイタリア産伝統農業食糧品の一つとなり、スローフード認定食糧品にもなったことで、少しずつ注目され始めた。カルミニャーノはかつて、イチジクのカルミニャーノと呼ばれた土地だけに、乾燥イチジクの生産を大いに宣伝したい。だって、好きなんだもーん。来年は必ず、イチジク感想時と感想イチジク祭りに行きたい!と思うのである。ツアー組みたいな 今年はイチジクも不作なので商品数は少ないが、写真の袋で5ユーロ。 ポントルモ カルミニャーノといえば忘れてはならないのが、ポントルモによる『エリザベツ訪問』である。聖ミカエル教会にあるこの絵は『世界で最も美しいエリザベツ訪問』とも言われるが、全くもって同感。この絵を見ると、私もはるばる(?)カルミニャーノにこの絵に会うために訪問したのだと、まるでエリザベツを訪問したマリアの気持ちになる。 おまけと言ってはなんだが、カルミニャーノはメディチ家が愛した土地でもある。メディチ家が、約400年前にカルミニャーノ周辺の約4000ヘクタールの土地を『大公の地区』として囲み狩りを楽しみ、約300年前にカルミニャーノをワインが美味しい地域と指定し、生産地域・生産方法・販売に関しての条例ができた。世界で初めてのDOCである。 カルミニャーノワイナリー 乾燥イチジクを求めてたどり着いたのが、このワイナリー。元はメディチ家が狩りの家として使用していたそうだ。 ワイナリー内部 カルミニャーノ銘柄のワインを、『ビオディナミ』で生産している。 醸造所 コンクリートの醸造タンクに、手前に見える大きな桶は何に使う?第一次発酵をこの中で行うそうだ。ホンマか?何れにしても、収穫の時期に訪れてみたいなと思う。醸造家自らが案内して下さるという。気になるぅ~。 オリーブオイル ちょっぴり強面と思っていたアルベルトさん、実はトスカーナ風の辛口ジョークも言うもてなし心がある方。ハンチング帽にオレンジ色のセーターのいでたちで、おまけにメガネもオレンジ色!オシャレ~。今年はオレンジが流行っているが、流行先端か? ワイン 暖炉の前で、ワイナリー産のビオディナミオリーブオイルをかけたブルスケッタに、ワインを試飲する。 ボトル 美味しかったので、オリーブオイル5キロ缶を購入した。トスカーナ風の辛口というわけではないが、上品さがあるオリーブオイルで気に入った。 一見、地味な感じなのだが、じわじわとくる味のあるワイナリーで、華やかさというよりは侘び寂びのような渋さがある場所である。案内役のおじさんも然り。万人ウケするかというとそうではないかもしれないが、普段とは異なるトスカーナをご覧になられたい方には面白いかも、です。 アーモンドの郷土菓子ツアーではワイナリーは含まないが、ご興味がある方にはこのワイナリー訪問もアレンジ可能。カルミニャーノワインと言えば、Tenuta di Capezzanoが有名だが、ここも訪問可能でーす!

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