モンテプルチャーノ
モンテプルチャーノは、オルチャ渓谷とキアナ渓谷の間に位置するゆるやかな丘陵地帯にあります。エトルリア人を起源とする高台の町は、海抜605mの丘の上にあり、丘陵地帯に広がるオリーブ林とぶどう畑の田園風景が見渡せます。
町の主要広場であるグランデ広場には、14世紀後半に建設されました市役所、ドォウモ、カピターノの館と、サンガッロによるコントゥチ家の館、タルギ家の館があります。市庁舎は、15世紀にフィレンツェの建築家ミケロッツォの手により塔とファザートが加えら、この広場は、フィレンツェのヴェッキオ宮殿を真似ており、とても洗練された構えをしています。市役所のテラスに登り、モンテプルチャーノの町と、町を囲む田園風景を眺めることもできます。城壁の外、田園風景の中に現れるギリシア十字の型をした壮大な教会は聖ビアジオ教会です。アントニオ・ダ・サンガッロ イル・ヴェッキオによる、ルネッサンス期の代表建築です。
市役所のテラス:10.00 ー13.00 、 14.00 ー18.00、 5,00 ユーロ(冬期閉館)
モンテプルチャーノは、映画「ニュームーン」の舞台となりましたが、特にグランデ広場のシーンは映画の中でもクライマックスとなりました。
忘れてならないのが、この地域が生産する赤ワイン、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノです。ヴィーノ・ノービレ(高貴なワイン)と呼ばれる所以は、17世紀に医者であり、自然学者であり、詩人であったフランチェスコ・レディが「すべてのモンテプルチャーノ・ワインは、王である」と詠った詩が、イタリアの宮廷からヨーロッパの宮廷へと伝えられ、イギリスの王の耳に届きました。イギリス王グリエルモ3世は、このモンテプルチャーノのワインを大変気に入ったそうです。高貴な人々に好まれたワインということで、ヴィーノ・ノービレと呼ばれるようになりました。羊乳で作ったペコリーノチーズも特産品です。