ルッカって、どんなとこ?

フィレンツェから車で約1時間のルッカは、人口約9万人のトスカーナ州ルッカ県の県都です。ほかの中部イタリアの町と同様、ルッカもエトルリア起源の町で古代ローマの植民地でした。古代ローマ時代の町づくりが現在の町の基盤となっており、古代ローマ時代の楕円形の円形劇場が町のメイン広場に姿を変えました。11世紀には、コンスタンティノープルと並ぶ絹の交易で繁栄し、14世紀までフィレンツェと並ぶ勢力を誇りました。まずルッカに到着し、最初に目にするのは町を囲む城壁です。ルッカの城塞は、15世紀の大砲の出現に対応するため発達した壁が低く分厚い星型をした城塞で、その姿が完璧に残ったヨーロッパでも数少ない例のひとつです。

ルッカルッカ町並み2ルッカ町並み3

城壁の門を抜け、町中へ入ります。ナポレオンの妹エリザ・ボナパルトがルッカ=ピオンビーノ大公妃であった影響か、イタリアの典型的な小都市にアールヌーヴォー様式が混ざった町並みは、どことなく洒落ています。店構えも洗練された懐かしさが残るものとなっています。

ルッカルッカ町並み4ルッカ街灯

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城壁 Le mure di Lucca
9つの門と11つの石塁を持つ、全長4kmの城壁の上は、フィレンツェなど敵国からの防御の目的で、1504年に建設が始まり1645年に完成しました。幸運なことに、この城壁は一度も敵からの攻撃を受けず、そのおかげで現在まで町を完全に囲んだ状態で残っています。城塞の上は、街路樹がすがすがしい緑の散歩道となっています。レンタル自転車を借りて、サイクリングすることもできます。町中を歩くときとは違う目線で、一味違う町を見ることができます。

ルッカ城壁ルッカ城壁からの眺め

円形劇場広場 Piazza Anfiteatro
円形劇場広場紀元前1世紀から2世紀にかけて建設された古代ローマ時代の円形劇場跡に造られた広場です。古代ローマ時代には、人間と動物の死闘を見せる円形劇場でしたが、その後建物は放棄され、中世にはこの場所は「洞窟」と呼ばれ、劇場の石材を切り出す採石場になっていた時代もありました。そして、少しずつ円形劇場の土台を利用しながら家が建てられ、現在の形へと造り上げられたのです。
グイニージの塔 Torre dei Guinigi
グイニージの塔高さ45mの塔は、14世紀にルッカで権力を振るったグイニージ家のものです。中世には250を数えましたが、今では権力を示すために建てられた塔としてはグイニージの塔のみとなりました。230段の階段を上りきると、樫の木が植えられた屋上に到着します。屋上からはすばらしいルッカの町並み、丘陵地帯、遠く大理石の山アプアーノ山脈まで見晴らせます。

入場時間:  
1月、2月、11月、12月 9.30-16.30
3月、10月 9.30-17.30
4月、5月 9.30-18.30
6月、7月、8月、9月 9.30-19.30
12月25日  休館

入場料:4ユーロ、2日間共通チケット (グイニージの塔、時計塔、植物園)9ユーロ

時計塔 Torre delle ore
時計塔1390年から時を刻んでいた時計塔は、ルッカで一番高い塔です。207段の当時のままの木製の階段を上がると、ヨーロッパでもめずらしい手動の時計のメカニズムを見ることができます。
入場時間:  
1月、2月、11月、12月 休館
3月、10月 9.30-17.30
4月、5月 9.30-18.30
6月、7月、8月、9月 9.30-19.30

入場料:4ユーロ、2日間共通チケット (グイニージの塔、時計塔、植物園)9ユーロ

植物園 Orto Botanico di Lucca / Via del Giardino Botanico 14(入り口:Baluardo San Regolo)
庭園1820年に創設されたルッカの植物園は、地元をはじめ世界中の品種を集めています。特に、春には椿市がルッカ近郊で開催されるほどルッカの椿は有名で、植物園にも多くの椿が植えられています。
入場時間:  
3月21日–4月30日 10.00-17.00
5月1日–6月30日 10.00-17.00
7月1日–9月30日 10.00-19.00
10月1日–11月4日 10.00-17.00

入場料:4ユーロ、2日間共通チケット (グイニージの塔、時計塔、植物園)9ユーロ

プッチーニ生家 Puccini Museum / Corte San Lorenzo,9
プッチーニ生家「ラ・ボエーム」や「蝶々夫人」、「トゥーランドット」などの世界的傑作を次々と生み出した作曲家ジャコモ・プッチーニは、1858年にルッカのこのアパートの3階で生まれ、22歳まで住んでいました。手書きの楽譜やリコルディとの手紙のやり取り奥さんに宛てたプッチーニ直筆の手紙などが飾られています。
入場時間:(火曜日・12月25日休館)  
3月1日–4月30日 10.00-18.00
5月1日–9月30日 10.00-19.00
10月1日–11月1日 10.00-13.00/15.00-17.00
11月2日–2月29日 10.00-13.00/15.00-17.00

入場料:7ユーロ
5ユーロ(18歳以下、65歳以上、身体障害者)、無料(10歳以下)、
13ユーロ(大人2人と11歳から17歳までの子供2人)

ルッカは「100の教会の街」とも言われ、城壁の内外に多くの教会があります。
サン・マルティーノ大聖堂 Il Cattedrale di San Martino
ロマネスク様式のルッカの大聖堂は、ルッカの司祭であった聖フレディアーノにより6世紀に建てられました。その後、1060年に改築され、1070年に聖別され、聖別式にトスカーナ女伯のカノッサのマティルダも出席しました。その後も改築が続くわけですが、ロマネスク様式の見事なファザードは、中央扉のルネットには二人の天使に見守られアーモンド形の光に包まれ昇天するキリスト、その下に12使徒、扉左右にこの大聖堂が捧げられた、キリストが扮した乞食に自分のマントを切って与えた聖人マルティーノの生涯と、12ヶ月の労働と黄道十二宮を配した月暦図が描かれています。右扉は、ルネットには聖人レゴロの斬首のモチーフ(聖堂内には聖人レゴロの聖遺物が納められていました)が彫られています。左扉のルネッタの「キリスト降架図」は、ニコロ・ピサーノによるものです。
内部には、ティントレット作「最後の晩餐」があります。そして、教会翼廊左には「聖なる御顔」が納められています。これは、イエスの亡骸を引き取って埋葬したとされるニコデモが、ある日天使から「杉の木をイエスに似せて彫るように」と啓示受けます。ニコデモの死後、木彫りされたキリスト像は、更なる天使のお告げによって、スバルピーノという司祭の手で船に乗せて流されます。それが最終的に流れ着いたのが、742年のルッカでした。それ以来、聖なる御顔のキリスト像がルッカの町を行進するお祭りが一年に一度、開催されます。
別料金で入場する聖具室には、ギルランダイオとその弟子たち作「聖母子と聖人たち」、ヤコポ・デッラ・クエルチャ作の美しい墓石彫刻「イラリア・デル・カレットの墓」も見ごたえがあります。墓の中に眠っているイラリアとは、ルッカで政権を握っていたグイニージ家の妻です。

開館時間
ドゥオモ
3月15日から11月2日
月ー土
9:30-19:00 9:00-10:00
12:00-19:00
11月3日から3月14日
月ー金 土・日
9:30-17:00 10:00-18:00
   
鐘楼 毎日10:00-17:00

入場料:ドゥオモ3ユーロ、鐘楼3ユーロ

ドゥオモドゥオモ聖マルティーノ

サン・ミケーレ・イン・フォロ教会 Chiesa di San Michele in Foro
古代ローマ時代のフォロ(広場)跡に、8世紀に聖ミカエルを祭るために建てられました。ルッカの司教でもあった法王アレッサンドロ2世の命により1070年に始まった改築は、14世紀まで続きました。そのため教会は、ピサ・ロマネスクの意匠を取り入れたゴシック建築です。教会ファザードの上部には、竜(悪魔)を槍で倒す大天使ミカエル像が飾られています。4層の小柱廊はロマネスク・ピサ・ルッカ様式の最高峰です。内部は、ルカ・デッラ・ロッビアの「聖母子」、フィリッピーノ・リッピ作「四聖人」があります。

開館時間: 07:40-12:00,15:00-18:00

サンミケーレ正面サンミケーレ装飾

サン・フレディアーノ教会 Basilica di San Frediano
アイルランド人の聖フェルディナンド司教により建てられたといわれる教会です。ファザード上部の美しいモザイクは13世紀のもので、「キリストの昇天」がビザンチン様式で描かれています。トスカーナのロマネスク様式の教会でファザードにモザイクが描かれているのが特徴です。内部には、彫刻がすばらしい洗礼桶があります。

サンフレディアーノファザードサンフレディアーノ洗浄桶

開館時間  9:00-18:00
入場料:3ユーロ

9月13日は、サンタ・クローチェ(聖十字架)のルミナーラ(ルミナリエ)のお祭りがあります。サン・マルティーノ大聖堂に祭られている「聖なる御顔」のキリスト像がサン・フレディアーノ教会からサン・マルティーノ大聖堂まで行進します。「聖なる御顔」のキリスト像がルッカで最初に収められたのはサン・フレディアーノ教会でしたが、その夜、像は教会から消えてしまいました。翌朝、サン・マルティーノ大聖堂すぐ近くの畑で見つかったことから、これは奇跡的な神のお告げに違いないということで、それ以後、キリスト像はサン・マルティーノ大聖堂に祭られるようになりました。行進は午後8時ごろから始まりますが、この日は電灯が消え、町中が蝋燭の明かりでともされる大変幻想的な夜となります。
サンティ・パオリーノ・エ・ドナート教会 Chiesa di Ss.Paolino e Donato
ルッカの守護聖人パオリーノに捧げられたルネッサンス様式の教会です。見どころは、ニコラオとヴィンチェンソ・チヴィタリの祭壇と、カッシアーリとゲラルディのフレスコ画です。

開館時間: 08:30-18:00

サンパオリーノ1サンパオリーノ2

ルッカの特産物

ルッカの特産物はファッロと呼ばれる古代小麦です。古代ローマ人も食べていたファッロ小麦は、大変栄養価が高いと言われています。ルッカ県にある山岳地方ガルファニャーナはファッロ小麦の産地で、煮込んでも程よい硬さが残ると言われます。ファッロ小麦は、特にルッカではスープにして頂きます。あとは、サラダやリゾットにしても美味しいです。トルデッリという名のパスタもあります。トルテッリよりは分厚く、お肉が中に入っています。お菓子では栗のお菓子カスタニャッチョはルッカで生まれたと言われています。そし輪型をしたアニスと干しぶどうが入ったパン・ブッチャレートも有名です。

ファッロトルデッリブチャレッリ

フィレンツェからルッカへの行き方
フィレンツェ・サンタマリアノヴェッラ駅からイタリア国鉄の普通列車を利用します。ルッカ駅まで、乗り換えなしで約1時間30分です。

イタリア国鉄の電車HPは、コチラからtrenitalia

電車で行くルッカツアーは、コチラからピサルッカ電車ツアー
フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅から電車でルッカを訪れ、1日ゆっくりとルッカを散策するツアーです。イタリア政府ライセンス日本人ガイドがご案内致します。

ルッカとピサへ専用車(ハイヤー)行くツアーは、コチラからピサルッカツアー
メルセデスベンツの専用車(ハイヤーNCC)で、ご宿泊ホテル発着ルッカとピサを訪れるツアーです。イタリア政府ライセンス日本人ガイドがご案内致します。