ウルビーノへ行こう!

ウルビーノへ。

街を散策

ウルビーノの町

「マルケの真珠」と呼ばれるウルビーノは、その名のとおり、夢物語の国のように優雅な姿をしている。

ウルビーノ路地

古風な趣のあるこの町も、トスカーナの田舎町のように坂が多い。町の高低が美しさの一因だろうが、散策するのには大変ではある。

ウルビーノ散策

体力的に疲れるが、なんともいえぬ魅力がある。迷い込んだ小道が、また素敵。

ラファエッロ像

ウルビーノといえば、この町出身の画家ラファエッロ・サンツィオ。公園にはなかなか格好良いラファエッロの像があり、学生たちがおしゃべりをしながら前を通り過ぎて行く。

ラファエッロの生家

ラファエッロ生家

ラファエッロの生家へやってきた。ここでラファエッロは、1483年、キリストが十字架にかけられた聖金曜日に生まれた。そして、37年後の聖金曜日にローマで没する。

聖母子
「サンティ家の聖母」

生家は、人文学者であり画家であった父の工房でもあった。生家の壁に描かれた「サンティ家の聖母」は、ラファエッロの初期の作品と言われている。筆遣いの柔らかさは、将来、何枚も描かれる優美な聖母図に通ずるところがあるかも・・・。

ドゥカーレ宮殿(マルケ州国立美術館)

黙る女

ウルビーノで見ることのできるラファエッロの作品は「黙る女」。「黙る女」はその題名のとおり、悲しい表情の女性が、喪服に身を包み黙って私たちを見る。

実のところ、今までラファエッロの作品を見てそれほどの感銘を受けたことがない。しかし、この「黙る女」は、何かひしひしと伝わってくるものがあった。ラファエッロを代表する作品というわけではない。書き直しの後も見られる。なぜだろう?展示の仕方が素晴らしいからだろうか?光のあて具合かもしれない。衣装の精密さ、とくにラファエッロお得意の袖のふくらみの柔らかさなどがよく伝わってくる。

ラファエッロの作品を一番多く所蔵しているパラティーナ美術館の、古美術商の館ような展示はそれなりに気に入っていたが、「黙る女」を見ていると、古式な展示の仕方が非常に残念に思えてくる。

ドゥカーレ宮殿

ラファエッロの「黙る女」が所蔵されているのは、マルケ州国立美術館。この屋敷は、ウルビーノ公であるフェデリコ・ディ・モンテフェルトロにより建設されたドゥカーレ宮殿。

ウルビーノ公フェデリコって、誰???


タターンッ!この人です!

ウルビーノ公1

あ、違った。この人です!

ウルビーノ公夫妻2

いや、だから、水中にいないっつーの。

ウルビーノ公夫妻ピエロ

この方ですよ!ウフィッツィ美術館を訪れた方なら、覚えていらっしゃると思う。ピエロ・デッラ・フランチェスカ作のかなり強烈な肖像画!こちらが、ウルビーノ公フェデリコと愛妻バッティスタ・スフォルツァ。

国立美術館お土産

ウルビーノの美術館のブックショップには、フェデリコ・グッズがたくさん!マグネットに、消しゴム?マグネットは、欲しいなぁ・・・。

美術館お土産

ノートは、使い道あるよね。宮殿柄はかわいいけれど、好んでフェデ柄を買う人はいるのだろうか?

キーホルダー

このキーホルダー、一体だれが使うのだろう?誰かわからん感じだが、ペアで揃えると渋いな。


フェデリコを知る前は冷ややかな目でグッズを見ていたけれど、フェデリコがどんな人物であったかを少しでも知ると、フェデ・グッズが欲しくなるほど魅力的な人物なのだ。


ウルビーノ公フェデリコは、15世紀ルネッサンスの時代に生きたウルビーノ公国の君主。イタリアで最初の真の武将と呼ばれ、武将でありながら王子の気質も兼ね備えていたといわれる。22歳のときに受け継いだ領地を3倍に増やした優秀な武将であり、ウルビーノにルネッサンスの文化を取り込み繁栄させた文化人でもある。
フェデリコの2度目の妻バッティスタは、上のピエロの肖像画では「どうよ?この真っ白な女!」と思ってしまうが、実は大変良く出来た女性で、この時代では珍しく相思相愛の夫婦であった。愛する妻がいて、部下を大切にし、文武両道だったフェデリコ。めっちゃかっこええ!


フェデリコの命で増築が始まったドゥカーレ宮殿は、今ではマルケ州国立美術館となっており、幾つかの名作が所蔵されている。

ピエロキリスト鞭打ち

ピエロ・デッラ・フランチェスコも、ウルビーノに招かれた画家の一人である。「キリスト鞭打ち」は、画家の署名以外は謎に包まれている。完璧な数学的遠近法のなかに、静かな面持ちの人々。テーマであるはずの「鞭打ち図」が背景の不思議な絵だ。

ピエロ・デッラ・フランチェスカ

ピエロ・デッラ・フランチェスカ作「セニガッリアの聖母」。光の画家と呼ばれるピエロの新しい光の使い方に、鳥肌が立つ。この1作品のためにウルビーノに来た甲斐があるといっても過言ではない。
ラファエッロの父も、ドゥカーレ宮殿に仕えていた。残念ながら、ラファエッロが生まれる1年前にフェデリコは没するのだが、幼少のラファエッロは父に連れられ訪れたドゥカーレ宮殿から深い感化を受ける。ラファエッロに影響を与えた2人の人物のうち、その1人がピエロ・デッラ・フランチェスカであった。

理想都市

「理想都市」作者不明。均整のとれた人の気配のない都市。計算がとことんできない私は数学なぞは大嫌いなのだが、数学的な美しさって、人を黙らせる清らかさがある。「理想都市」に描かれた完璧な美しさは、見事である。
これぞ!という名作の数は多くはないが、それらは1度は実物を見ておきたい作品である。

ウルビーノへ行こう!

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