レオナルド・ダ・ヴィンチのレスター手稿@ウフィツィ美術館

ウフィッツィ美術館

12月のウフィツィ美術館は、観光者が減りゆっくりと見学できるという利点がある。そんな冬の日に、レオナルド・ダ・ヴィンチを追って美術館を訪れた。

受胎告知

ウフィッツィ美術館はルネッサンス時代を中心に時系列に作品が並べられているが、ようやくレオナルドの部屋も完成し、3点の作品を鑑賞する。「受胎告知」はレオナルド若年の作。天使の顔が微妙で初めはあまり好きではなかったが、見れば見るほど絵の世界に引き込まれる。

東方の三博士の礼拝

修復が終わって美しい琥珀色の宝石となって帰ってきた「東方の三博士の礼拝」。これはウフィッツィ美術館の中で最も好きな作品。先の「受胎告知」から約10年後、ようやくイエスが生まれたわけよ。

多くの評論家が、絵の題名を超えて隠された謎を紐解こうとしているが、レオナルド自身に問うことができない今、鑑賞する人々を悩ませ、さらに惹きつける。

展示会

目的は、美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチの「レスター手稿」特別展。広い広い美術館の出口付近に特別展の入り口がある。疲れ果てた先にある展示場、気づかない人もいるのではないかと危惧する。

せめて、イギリスを見習って素敵なミュージアムカフェを作ればいいのに!(現在あるバールは素晴らしいテラスがあるのに、残念な感じがするのだ。そのくせ高い。)こういうところがイタリアは商売っ気がなくて、大阪人の私はめっさもったいと思うわ。

水

レスター手稿は、水理学を中心とした18枚のメモを、1枚の真ん中で留めて72ページの冊子となっている。「水」はレオナルドにとって(物理的な)世界の成り立ちの根源だった。天地は、聖書が教えるように神が1日で創造したのではなく、長い間をかけて造られ変化し続けるもの。創造と変化の原因が「水」だと考えた。

レスター手稿

理系に関してはさっぱり理解できない上に鏡文字で書かれているので超難解だが、解説映像がある。

レスター手稿地図

写真は、レスター手稿のオリジナルとコピーの軌跡を表す図。特別展は2019年のレオナルド没後500周記念の一環だが、数ある手稿の中でなぜレスター手稿なのか?

手稿の大半がレオナルドが1504年から1508年の間、フィレンツェに滞在していた時期に書かれたためである。ちょうどミケランジェロは「カッシーナの戦い」をレオナルドは「アンギアーリの戦い」を製作していた。その噂を聞きつけてラファエッロもフィレンツェに来た。次世代の芸術家チェッリーニが「世界の学校」と呼んだ時期である。

レスター手稿はイギリスのレスター伯爵が所有していたことからこの名で呼ばれるが、1994年に、ビル・ゲイツが30億円で購入した。日本でも展覧会があったそうだが、今回、手稿をしたためたフィレンツェに戻ってきたわけである。あとは、簡単に借りやすいから、だろう。ビルさん、ありがとう!なのだ!

川

映像とともにレオナルドの世界を見るのも面白い。床に投影された水の流れは、流水に形の異なる障害物があると水はどのように動くかを研究したイラストを映像にしたもの。上に立ってると、なんかわからんけど楽しー!な私ですが、レオナルドはここから洪水で崩壊しない橋とは?なんて考えるわけですから、凄いすよ。

展示

これはダムについて(?)のイラストをアニメーションにしたもの。こういう映像があると、わかりやすい。

アルノ川の流れを変えようとしたレオナルドの案が実現していたら、今頃はアルノ川でもタイのチャオプラヤー川みたいにピサまでの川下りを楽しめたかも?

他にも多くの映像と、おそらくレオナルドが所有していただろう、読んだであろう本などが展示されている。

数あるイラストの中でも、月のあらわす光輪と太陽の関係を描いたものが特に美しい。(レスター手稿は、天文学についても少々のメモが残されている。)

入り口

入り口にも水をイメージした映像がある。私、ここにずっーと立ってても飽きない気がする。レオナルドにはちっとも関係ないけど。

出口

ウフィツィ美術館を出たら、外の壁にもレオナルドの世界が投影されていた。

ウフィツィ美術館へお越しの際はお忘れなく立ち寄りください。
2019年1月20日まで。

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