潜入!サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局製造所

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の製造所を訪問。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局は、1284年にドメニコ派修道院サンタ・マリア・ノヴェッラ教会に医務室ができたのが始まりである。当時は、修道院付属大回廊に入り口があった。

サンタマリアノヴェッラ回廊大回廊付中庭

マニエリズムのフレスコ画回廊
回廊の壁に描かれた16世紀に活躍したマニエリズム派画家によるフレスコ画。

フレスコ画

大回廊にある、当時の薬局への入り口。扉の上の薬壷が目印。

最初は修道院内の医務室だったが、1612年に一般市民も利用できる薬局となった。世界最古の薬局の一つと言われる。

長い間、修道士によって運営されてきた薬局は、19世紀の政府による修道院財産没収に巻き込まれ民間営業となり、今に至る。2000年までスカーラ通りの薬局本店内で商品を製造していたそうだが、ようやくフィレンツェ市内に4千haの広さのある製造所を設立した。今回訪れたのが、この製造工場である。

工場長ファブリッツォさん自らにご案内していただく。ぜ、贅沢~。簡易の白衣と帽子、靴カバーを着け、いざ、見学開始!

サンタマリアノヴェッラ薬局工場

まずは、化粧品を作るターボ式乳化機。ここで、シャンプー、リンス、シャワージェルなどが作られる。

ラベル検査

出来上がった製品はタンクに入れられ、化学的に検査される。左の黄色いシールは『検査待ち』、右の緑のシールは『検査済み』。

ボトル詰め

検査に合格した製品がボトルに詰められる。キャップを閉じてチェックし、ボトルにシールを貼り、箱詰めするが、ボトルに液体が詰められた後は、全て手作業である。

サンタマリアノヴェッラ薬局石鹸作り
次は、石鹸の製造を見学。これが石鹸の元。これをペースト状にして固めるのだが、その際に香料を加える。そして、薬局のマークを刻印。
この日は機械の清掃中で、細かい粉が飛んでいたのか、口の中が石鹸っぽくなった。部屋中にすごくいい香りが漂う。

サンタマリアノヴェッラ薬局石鹸

うわーお!石鹸、石鹸、石鹸!下世話な話だが、この石鹸、決してお安いものではない。これ全部で、果たしていくらになるだろう?なんて、大阪のおばちゃんは考えてしもたで

石鹸の山積み

部屋中に石鹸が山積み。これから、2週間ほど(だったと思う)乾燥させて、水分を飛ばすのだそうだ。

石鹸梱包

3つ1組で梱包。梱包は手作業。

ラベル

こういうの見ると、欲しくなるんだな・・・。ワインのラベルと同じで。

ポプリ

お次は、ポプリ製造場所。手前が乾燥させた草花で製造前、奥がポプリになった後。意外や、出来上がりは茶色なのね。

ポプリ機械

こーんな機械で作っている。この機械のおかげで時間短縮して作れるようになったとは聞き覚えているが、どのように、というのは忘れた。

エッセンスとアルコール

これは、エッセンスとアルコール、水を混ぜる道具。香水ができる。
思ったより単純なのね。エッセンスは信用の置ける工場にお願いして取り寄せているとおっしゃった気がする。
でも、香水の香りの調合は工場長ファブリッツォさんと他2人でされているそうだ。へぇ~。そういえば、昔、鼻炎の私は、このネと呼ばれる調合師になりたかったのを思い出す。

1ヶ月放置

材料を混合したら、このタンクの中に入れ1ヶ月ほど安置させる。ふーむ。

オーディコロン

オーデコロンは、HPを見ていると45種類ぐらいあるのかな?結構な数でございます。ん?でもボードには56番まである?

香水詰め

そして、ボトル詰め。これは機械での作業だが、ワインのボトル詰めと同じようなもんかねぇ。

箱

ここまで並ぶと、お見事。

ショップの香水

これが工場併設のショップに売られている完成品。今使っている香水が終わったら、次は絶対ここのを買う!と決めている。数種類、香りを試させてもらった。こうも種類があると選択も難しいのぅ・・・

昨年、フィレンツェと京都が姉妹都市提携して50周年だったのだが、それを記念して作ったチンクワンタ/Cinquanta(50)と言う名の香りもいいなぁと思ったり。グリーンティーの香りがいいのです!
フィレンツェらしいといえば、フィレンツェの天使/Angeli di Firenzeもおすすめ♪1966年にアルノ川が氾濫した時に、『泥の天使』という市民ボランティアグループが活躍したので、それにちなんで。

ミント

この工場でチョコレートなどの食品も製造しているとのことだが、そこは見ることができなかった。しかし、消化・鎮静作用があるサンタマリア草と呼ばれる薬草を調合したタブレットをいただいた とても美味しい。昔ながらの商品だそうで、缶も可愛い。6ユーロ。お土産にいいかも。

アルケルメス

私は個人的には、これに一番興味があったざます。サンタマリアノヴェッラの薬局考案のリキュール・アルケルメス。メディチ家のロレンツォ•イル・マニフィーコも好きだったという。15世紀に作られ、18世紀に今のレシピが完成したそうである。このリキュールは、ズッパ・イングレーゼなどのお菓子にも使われる。

オーク材樽

へぇ、熟成するのね。6ヶ月オーク材で。なるへそ。

リキュール

アルケルメスって舌を噛みそうな名前だが、由来はリキュールの緋色から。Coccinigliaという虫(日本語ではカイガラムシかと思う)を乾燥させて粉にすると緋色になる。Coccinigliaはアラブ語でquirmizクイルミズ、al quirmizアル・クイルミズ(クイルミズ風)ということで、アルケルメス。それと、quirmizは緋色も意味するそうで。最近は、合成色素で作るアルケルメスもあるようだが、この薬局のものは、当然ながら昔ながらの用法で作られている。甘くもあり辛みもあって、食前酒にもいい。ちなみに、アルコール度数は35%。朝から試飲させて頂きました。ありがとうございます。うぃ~

ろうそく

最後はロウソク部門。これぞ、手作り!という感じで、テンション上がる~。

ろう

ロウを溶かす。左側のは溶かして透明になったロウにバラの香料を入れたもの。

ろうを流す

香料を含めたロウを型に流し、ハーブを飾る。型から出して、一つ一つ手作業で形を整える。すごく素敵。

キャンドル

キャンドルの金色のマークは全て手書き。鳥の模様も彫られている。大変な作業である。

訪問する前は、なんとなく修道士のような格好した人々が大きな釜をぐるぐるかき混ぜてなんて、現代ではありえへんほど古風な図を勝手に想像していた。そうであって欲しかったりも・・・。しかし当然ながら設備は近代的で味気がないといえばそうも言えるが、これで信頼の置ける衛生的な製品が作られるわけである。

面白いものを見学させていただけた。なるほど、最高の原材量を使用して細部までこだわり、パッケージも手作業でとなるとお値段が高くなるのも多少は頷ける。

この工場は、フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅から1つ目のリフレディ駅から徒歩3分にある。(住所:Via Reginaldo Giuliani 141)
見学も無料で受け付けており、日本人が受け付けを担当していらっしゃる。希望を言えば、通訳もしていただける。
ご興味がある方は、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のHPをご覧ください。

春になれば、薬局の庭園も見学したいと思う。庭園は火曜日・イタリア語のみらしいが、製造工場訪問ともにメールでの問い合わせは日本語でも可能。

フィレンツェ散策ツアーでもご案内可能です♩

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