ボッカッチョと玉葱の村チェルタルド

チェルタルド訪問。

チェルタルド外観

フィレンツェから車で約1時間、南西方面へ向かうと、チェルタルドという人口1万6千人ほどの小さな町に着く。町は丘の上の旧市街チェルタルド・アルトと丘の下に広がる新市街に分かれる。

チェルタルドケーブルカー
私達が向かったのは、旧市街。徒歩の場合は、新市街から毎時15分でケーブルカーが利用できる。ケーブルカーに乗るのも面白かろうが、私達は車で旧市街を囲む丘を登った。途中、谷を越えた先に村が姿を現す。本当に小さい村だが、おとぎの国のようだといつも思う。

チェルタルドメイン通り

町のメインストリート。お正月は過ぎていたがクリスマス休暇中なので観光客もおり、小さな村にしては賑わっていた。

チェルタルドお祭り
6月には、通りの端から端まで長い食卓が並び、「中世の夕食会」というイベントが開かれる。私は残念ながらまだ行ったことがないので、写真はこの催しを開催する団体から拝借した。写真ではわかりにくかもしれないが、ずらりと並んだ食卓は圧巻である。

チェルタルドお祭り食事

こんな感じで食事が運ばれるなんて、面白い!雰囲気も食事も中世の旅人が迷い込んだ無礼講な食堂っぽくて、わくわくする。ワイルド感いっぱいで、ワインがすすみそう!(ワイルドなしでもワインはいつでもすすむが・・・)

チェルタルド壁
イタリアの田舎町にはつきものの、かわいらしい玄関。今は民家だが、昔はバールだったのだろうか。世話はしているだろうが適当に並べられた植木鉢や、朽ちたレンガの壁面に無造作に伸びる植物が、道行く旅人に静かに物語る風景は、どうしてこれ程魅力的なのであろうか。

チェルタルド店

バール・ボッカッチョ、エノテカ・ボッカッチョと、なんでもボッカッチョな名前が付いている。
ご存知の方も多いと思うが、デカメロンとはギリシア語で10日間。ペストに冒されたフィレンツェの町から10人の男女が郊外の別荘に逃げ延び、そこで一人ずつ物語を披露する10日間物語。
ということをようやくイタリアへ来て知った私。今でもデカメロンと聞くと、デカいメロンか、少年隊のデカメロン伝説ぐらいしか頭に浮かんでこん。すまん、ボッカッチョよ。
もう一つ、チェルタルドで有名なものといえば、赤たまねぎ。

チェルタルド紋章

町の紋章も、たまねぎ入り。粘土質の湿った土壌が「チェルタルドのたまねぎ」を生み出す秘訣。その特徴は、まろやかな酸味と柔らかい甘み。
デカメロンの第六章にもチェルタルドの赤毛のたまねぎ修道士なる人物が登場する。そんな時代から、赤たまねぎが特産品であったのだ。

チェルタルド玉ねぎソース

メインストリートにあるオステリアからものすごいたまねぎのいい匂いがするので、タバッキの看板もあることだしと中に入ると、自家製の野菜のオイル漬け、フルーツジャムなどが販売されていた。その中に、チェルタルドのたまねぎジャムを発見!7ユーロとは少し高しと思いつつ試しに購入してみたら、たまらぬ美味しさ!ほどよい甘みがチーズやお肉にぴったり。作ったばかりというので、この瓶詰めにはまだ表示の札が付いてなかったが、通常は「チェルタルドのたまねぎジャム」という紙札がついていて、瓶も札も見た目オサレ。そういえば、これで何グラムなのかな?

チェルタルド豚と

早速、家で豚肉ソテーと共にいただいた。たまねぎ好きの私にはたまらぬ美味しさ、食欲が刺激される。豚肉ソテーは焼けばいいだけという簡単さのため頻繁に食卓にあがる1品だが、いつもとちょっぴり違う味わいとなり、レストラン気分でよろしゅうございました。

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